防犯ブログ

電源工事不要の防犯カメラ、ソーラーバッテリーカメラについて解説します

防犯カメラは電源工事が必要になる場合が多く、購入しても専門の業者に工事を依頼しなければ設置できないケースがほとんどです。しかし電柱周辺・農地・駐車場・山林・仮設現場など、電源ケーブルを引き込むこと自体が困難な場所も少なくありません。

そこで注目されているのが、**ソーラーパネルとリチウムイオンバッテリーを搭載した「ソーラーバッテリー型防犯カメラ」**です。電源工事・配線工事が一切不要で、日当たりの良い場所であればほぼどこでも設置できます。本記事では、ソーラーバッテリーカメラの仕組み・メリットとデメリット・人感センサーとの関係・通信方式・設置時の注意点まで詳しく解説します。

目次

1. ソーラーバッテリー型防犯カメラとは

ソーラーバッテリー型防犯カメラとは、カメラ本体またはセット品にソーラーパネルとリチウムイオンバッテリーを搭載した防犯カメラのことです。

リチウムイオンバッテリーについて

バッテリーカメラの電源となるリチウムイオンバッテリーは、スマートフォンや電気自動車にも使われている充電式電池です。充放電を繰り返しても容量が大きく減りにくい性質を持ち、近年では様々な家電・ITデバイスに広く採用されています。防犯カメラにバッテリーを内蔵することで、コンセントや電源ケーブルが不要になり、取り付けが大幅に簡単になりました。

ソーラーパネルによる自動充電

ソーラーパネルが日光を受けて発電し、その電力でバッテリーを充電します。晴天時に十分な日射量があれば、昼間に充電したエネルギーで夜間もカメラを継続稼働させることが可能です。曇りや雨の日が続く場合はバッテリーが消耗しやすいため、設置場所の日当たり条件が重要になります。

配線工事・電気工事が不要なため、通信方式はWiFiまたはLTE(SIMカード)を使ったワイヤレス方式がメインとなっています。

➡ ワイヤレス防犯カメラについての詳細はこちら:ワイヤレス防犯カメラを選ぶ際の注意点について、種類も解説します

2. ソーラーバッテリー型防犯カメラのメリット

① 電源工事・配線工事が一切不要

最大のメリットは、電源ケーブルの配線工事や電気工事が不要である点です。コンセントのない場所・電源を引き込む工事が困難な場所・賃貸物件でコア工事ができない場所など、従来の防犯カメラでは設置が難しかった環境に対応できます。DIYでの設置も現実的になり、導入コストを大幅に抑えられます。

② 場所を選ばず柔軟に設置できる

電源が不要なため、農地・山林・駐車場・仮設現場・ゲート・外周フェンス・電柱付近など、配線の引き込みが難しいあらゆる場所に設置できます。また設置場所の変更も容易で、季節ごとに監視したいエリアが変わる場合などにも対応しやすいです。

③ 昼間に充電・夜間も継続稼働

ソーラーパネルが昼間に発電してバッテリーを充電し、夜間はそのバッテリーでカメラを稼働させます。十分な日射量が確保できる設置環境であれば、24時間継続的に監視することが可能です。停電時にもバッテリー残量がある限り稼働し続ける点も利点です。

④ ランニングコストが低い

太陽光で発電するため、電気代がほぼかかりません。バッテリーの交換コスト(数年に一度)と、クラウド録画を使う場合の月額費用が主なランニングコストです。電源工事費用と比較すると、トータルコストを抑えられるケースが多いです。

⑤ 環境にやさしい

再生可能エネルギーである太陽光を活用するため、CO2排出を抑えた環境負荷の低い防犯カメラシステムです。SDGs・脱炭素への取り組みとしても導入しやすい選択肢です。

3. ソーラーバッテリー型防犯カメラのデメリット・注意点

① 日照条件に大きく依存する

ソーラーパネルの発電量は日射量に左右されます。北向きの壁・木の陰・ビルの影など日当たりが悪い場所では発電量が不足し、バッテリーが十分に充電されないままカメラが停止するリスクがあります。設置前に日当たり条件を十分に確認することが必須です。

② バッテリー切れのリスク

長雨・梅雨・冬季の日射量低下が続くと、発電量が消費量を下回りバッテリーが消耗します。旅行・出張・長期不在中にバッテリー切れが起きると録画が停止してしまい、防犯カメラとしての機能を果たせなくなります。スマートフォンへのバッテリー残量通知機能があるモデルを選ぶか、定期的な残量確認が必要です。

③ リチウムイオンバッテリーの使用温度制限

リチウムイオンバッテリーには充放電に適した外気温の範囲があります。一般的な推奨使用温度は0〜35℃程度とされており、真夏の直射日光下(炎天下では60℃以上になることもある)や、冬季に氷点下となる環境では本来の性能を発揮できず、バッテリーの劣化が早まる可能性があります。設置場所の気温条件を考慮した上で選定してください。

④ 常時録画には不向きなモデルが多い

消費電力を抑えるため、多くのモデルは人感センサー検知時のみ録画するモーション検知録画が基本となっています。常時録画に比べて録画の抜け漏れが発生するリスクがある点は把握しておく必要があります。ただし、バッテリー容量とソーラーパネルの発電効率が向上した最新モデルでは、常時録画に対応するものも登場してきています。

⑤ バッテリーの経年劣化

リチウムイオンバッテリーは充放電を繰り返すことで徐々に容量が低下します。使用環境にもよりますが、2〜5年程度でバッテリー交換が必要になるケースが多いです。交換できる設計のモデルを選ぶと長期的なコストを抑えられます。

4. 人感センサー(PIR)録画との組み合わせ

ソーラーバッテリー型防犯カメラは電力の消費量を抑えるために、人感センサー(PIRセンサー)録画を採用しているモデルが主流です。

人感センサーの仕組み

PIR(Passive Infrared)センサーとは、人体が発する赤外線(体温)を感知するセンサーです。熱検知センサーとも呼ばれ、背景との温度差を検知してカメラの起動・録画・アラート通知を行います。動きがない時間帯はスタンバイモード(低消費電力状態)に入り、センサーが反応した時だけ録画を開始するため、バッテリー消費を大幅に抑えることができます。

➡ PIRセンサーについての詳細はこちら:防犯カメラのPIRセンサーとは、動体検知やモーション検知との違いを解説します

人感センサーの検知特性と設置向き

人感センサーはセンサーの横を通り過ぎる動きに反応しやすいという特性があります。カメラの正面から真っすぐ近づいてくる場合は反応しにくい反面、斜め方向から横切る向きで設置するのが最も効果的です。侵入者の人相を正面から捉えつつ、センサー検知もしやすい「斜め設置」が推奨です。

夏場は検知感度が落ちることがある

人感センサーは「人体と背景の温度差」で検知するため、夏場の気温が高い日(背景温度が体温に近づく環境)では検知感度が低下することがあります。検知しにくいと感じた場合は以下の対処が有効です。

  • カメラの向きを変えて背景との温度差が生じやすい角度に調整する
  • カメラの設定画面から検知感度を上げる
  • 検知エリアの設定を見直す

動体検知との違い

人感センサー(PIR)と動体検知(映像の動き検知)は別の機能です。動体検知は映像内の変化を検知するため、木の揺れ・光の変化・虫・雨などでも誤検知が起きやすい面があります。PIRセンサーは体温を感知するため、誤検知が少ない点が特長です。ただし体温を持たない物体(落下物・車両のみなど)への対応には動体検知の方が有利なケースもあります。

➡ 動体検知機能についての詳細はこちら:防犯カメラの動体検知機能とは、メリットと使い方について

5. 通信方式と録画方法について

通信方式:WiFi vs LTE(SIMカード)

WiFi接続方式は自宅や施設で使用している2.4GHzまたは5GHzのWiFiルーターを経由して通信する方式です。スマートフォンのアプリやNVR(ネットワークビデオレコーダー)と連携します。月額の通信費用がかからない点がメリットですが、WiFiの電波が届く範囲内にしか設置できません。

LTE回線(SIMカード)方式はSIMカードを使って携帯電話のネットワーク経由で通信する方式です。WiFi環境がない場所・農地・山林・仮設現場など、電波さえ届けばどこでも設置できるのが最大のメリットです。別途SIMカードの契約と月額通信費用が必要になります。

比較項目WiFi接続LTE(SIMカード)接続
設置場所の自由度WiFi電波範囲内のみ携帯電波が届けばどこでも
月額費用基本不要SIM契約費用が必要
通信の安定性電波環境・距離に依存キャリアの電波状況に依存
向いているシーン自宅・施設周辺農地・山林・現場・遠隔地

録画方法:マイクロSDカード vs クラウド

マイクロSDカード録画は手軽で月額費用がかからないのが特長です。人感センサー録画は常時録画より容量消費が少ないため、容量が小さなSDカードでも比較的長期間保存できます。ただしカメラの盗難・破損と同時に録画データも失われるリスクがあります。

クラウド録画はインターネット経由でデータをクラウドサーバーに保存する方式です。カメラが盗難・破壊されても録画データはクラウドに残るため、証拠映像を保護できます。月額費用が発生する点がデメリットです。

防犯目的での利用であれば、マイクロSDカードをメイン録画・クラウドをバックアップとして組み合わせる運用が安心です。

6. 設置場所の選び方と取り付けのポイント

日当たりの確認が最優先

ソーラーパネルが安定して発電するためには、1日4〜6時間以上の直接日照が確保できる場所が理想的です。設置前に以下を確認してください。

  • 日中に直射日光が当たる時間帯と時間数
  • 木・建物・電柱などによる陰の影響
  • 季節による太陽の高さの変化(冬は低くなるため南向きの角度調整が必要)

ソーラーパネルの向きは南向き・仰角15〜30度程度が日本の緯度では最も効率よく発電できます。

カメラの取り付け高さ

防犯設備協会が推奨するカメラの設置高さは3〜4メートルです。低すぎるといたずら・破壊のリスクが高く、高すぎると人物の顔を上から見下ろす角度になり識別が難しくなります。また人感センサーの検知範囲も高さによって変わるため、センサーの仕様を確認しながら適切な高さを選んでください。

センサー検知を最大化する設置角度

前述のとおり、人感センサーはカメラの横方向(側面)を通り過ぎる動きに最も反応しやすい特性があります。侵入経路に対してカメラを斜め方向に向けることで、センサー検知と顔の撮影を両立できます。

7. よくある接続トラブルと対処法

IPv6非対応で接続できない

最近よく問い合わせを受けるのが「WiFiに接続できない」というトラブルです。原因のひとつがIPv6非対応のカメラです。IPv6とはインターネット接続に使われるグローバルIPアドレスの規格で、IPv4とIPv6の2種類があります。最新のインターネット回線ではIPv6が標準になっているケースが増えていますが、一部の古い防犯カメラはIPv6に対応していないため接続できないことがあります。購入前にカメラの仕様でIPv6対応かどうかを確認してください。

ホームルーターで接続できない

**ホームルーター(SIMカード内蔵のWiFiルーター)**を使用している場合、防犯カメラが接続できないケースがあります。ホームルーターはNAT(ネットワークアドレス変換)の仕様上、P2P通信が制限されることがあり、防犯カメラのリモート視聴機能が正常に動作しない場合があります。購入前にメーカーや販売店に確認することを推奨します。

WiFi電波が届かない

ソーラーバッテリーカメラを屋外の離れた場所に設置する場合、室内のWiFiルーターから電波が届かないことがあります。この場合は以下の対応を検討してください。

  • 中継機(WiFiリピーター)を設置して電波を延長する
  • WiFiではなくLTE(SIMカード)対応モデルへ変更する
  • PoE対応の有線LANカメラへの変更を検討する

バッテリーが思ったより早く減る

曇り・雨の日が続いた場合や冬季の日照時間短縮によってバッテリーが消耗しやすくなります。人感センサーの検知頻度が高すぎる場合もバッテリー消耗の原因になります。検知感度の設定を下げるか、検知エリアを絞ることで消費電力を抑えられます。

8. ソーラーバッテリー型防犯カメラが特に向いているシーン

農地・田畑・果樹園

農作物盗難対策として需要が増えています。電源がない農地でもSIMカード対応モデルであれば携帯電波が届く場所ならどこでも設置でき、スマートフォンでリアルタイム監視ができます。

駐車場・資材置き場

電源工事コストを抑えながら広い敷地をカバーできます。複数台設置する場合でも配線工事不要のため設置コストを大幅に節約できます。

仮設現場・工事現場

工事の進捗状況の記録・資材の盗難監視に活用できます。工事の完了とともに撤去・移設が簡単な点も仮設用途に向いています。

別荘・空き家・倉庫

普段は無人で定期的にしか訪問しない物件の遠隔監視に最適です。クラウド録画と組み合わせることで、不在時でもスマートフォンで状況を確認できます。

山林・土地の境界付近

不法投棄・不法侵入の監視に活用されています。SIMカード対応モデルであれば山間部でも携帯電波が届く場所であれば設置可能です。

9. まとめ

ソーラーバッテリー型防犯カメラは、電源工事・配線工事が不要で場所を選ばずに設置できるという大きなメリットを持つ防犯カメラです。農地・駐車場・仮設現場・別荘など、従来の防犯カメラでは設置が難しかった環境にも対応できます。

一方で、日照条件への依存・バッテリー切れリスク・リチウムイオンバッテリーの使用温度制限・常時録画が難しいモデルがある点など、設置前に把握しておくべきデメリットも存在します。

最適なモデル選びのポイントをまとめると以下のとおりです。

  • 設置場所の日当たり条件を事前に確認する
  • WiFi環境がない場所にはLTE(SIMカード)対応モデルを選ぶ
  • 録画はSDカードとクラウドの二重保存が安心
  • PIRセンサーの検知特性を理解して斜め方向に設置する
  • バッテリー残量通知機能付きモデルを選んで定期的に残量を確認する

リチウムイオンバッテリーとソーラーパネルの性能は年々向上しており、常時録画に対応するモデルも登場しています。設置環境と用途に合わせた最適なモデル選びについて、ご不明な点はぜひワイズセキュリティへお気軽にお問い合わせください。


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※本記事の情報は2025年6月時点のものです。

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