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防犯カメラって本当に泥棒に届いているの?抑止効果の真実

「防犯カメラをつけたら空き巣に入られにくくなりますか?」というご相談をよくいただきます。正直に言うと、「つけるだけで完璧」というわけではありませんが、データを見ると効果はちゃんとあると言えます。

ただ「どんな犯罪に効くのか」「どう設置すれば効果が高いのか」という話はあまり知られていないと思います。この記事では、統計データと犯罪心理の両面から、防犯カメラの抑止効果の「真実」を解説していきます。

まず数字で見てみよう――防犯カメラの抑止効果はデータに出ている

「気がする」「なんとなく効果がありそう」ではなく、ちゃんとデータが存在します。

防犯カメラは犯罪抑止に繋がると思うかという調査では、「やや思う」が約50%、「非常に思う」が38.2%で、合わせて9割近い人が防犯カメラの犯罪抑止効果に期待しているという結果が出ています。 参考:マイナビ

これは一般の感覚ですが、実際のデータも同じ方向を示しています。

愛知県刈谷市では2003年度に刑法犯認知件数が4,500件を記録していましたが、2011年度から街頭防犯カメラを積極的に設置し、2017年度には930台を超えるまで増やした結果、2012年度から2017年度の5年間で刑法犯認知件数が46.4%減少しました。

参考:日経デジタル

約半分です。5年間で。これはかなり大きな数字だと思います。

また東京・新宿の歌舞伎町に50台の防犯カメラが設置された際、2003年に2,249件あった犯罪が1年間で2,042件に減少しました。京都の京田辺市では駐輪場に防犯カメラを6台設置しただけで、182件あった自転車盗難の被害件数が10%減になったという事例もあります。

さらに統計データをもとに計算された防犯カメラの効果範囲は、半径50メートル以内で約20%、100メートル以内で約10%の犯罪抑止効果が期待できるとされています。

なぜ防犯カメラを見ると泥棒は引き返すのか?

データの背景にある「犯罪者の心理」を少し掘り下げてみます。

空き巣や車上荒らしといった窃盗犯の多くは、事前に下見をして「割に合うかどうか」を判断します。つまり、計画的に動いています。そういった犯人にとって防犯カメラは「顔が映る」「証拠が残る」「捕まるリスクが高まる」というシグナルになります。

警察庁のデータによると、2020年に検挙された刑法犯約27万件のうち、防犯カメラやドライブレコーダーの画像により犯人が特定されたのは約3万3,000件で、全体の約12.3%を占めています。これは職務質問による犯人特定や参考人の取り調べによる犯人特定より多い数字です。

「カメラに映ったら捕まる」という現実が積み重なることで、防犯カメラそのものへの抑止力が強まっているとも言えます。

実は、防犯カメラの設置が犯罪の抑止に大きな効果を生むのは、日本人の「他人の目を気にする文化」によるところが大きいとされています。海外では防犯カメラを設置しても犯罪が減ることはなく、カメラの有無よりも明るさの度合いが犯罪抑止に影響するという統計データもあります。

つまり、防犯カメラの抑止効果は日本では特に高く出やすい、ということです。これは少し意外な視点ではないでしょうか。

「全ての犯罪」に効くわけではない――抑止効果に限界もある

正直なところ、防犯カメラが効きやすい犯罪と効きにくい犯罪があります。

日本の研究者が防犯カメラの効果検証を行ったところ、粗暴犯にはあまり効果がなかった一方、窃盗犯に対しては犯罪抑止の効果がデータで確認できたという論文が公開されています。

つまり、カッとなって起こす衝動的な暴力行為にはカメラはほとんど効かない。一方で、下見をして計画的に動く空き巣・車上荒らし・自転車盗難といった窃盗系の犯罪には高い抑止効果を発揮するということです。

一般家庭が防犯カメラで守りたいのは主に「空き巣・不審者の侵入・車・自転車の盗難」がほとんどだと思いますので、その意味では家庭用途への効果は十分期待できると言えるでしょう。

また、街頭防犯カメラはあるエリアの犯罪を減少させても、カメラを見て犯罪をあきらめた犯人が他のエリアで犯行に及ぶ「犯罪の地理的転移」が起こる場合もあります。一方で、周辺エリアへの犯罪抑止効果が波及する「利益の拡散」が起こるケースもあります。 完全にゼロにはできませんが、少なくとも自分の家・自分の敷地のリスクを下げる効果は確かにあります。

「置くだけ」では半分しか効果が出ない?設置の仕方で効果が変わる

防犯カメラは設置の仕方によって抑止効果に大きな差が出ます。よくある失敗パターンをまとめます。

カメラが目立たない場所にある

「隠しカメラ」的な発想でカメラを目立たない場所に設置する方がいますが、これは抑止効果の観点では逆効果です。犯人に「カメラがある」と気づかせることが抑止力の源泉なので、見えやすい場所・高さに設置することが重要です。

「防犯カメラ作動中」のステッカーがない

カメラと合わせてステッカーを貼っておくことで、死角になっている場所でも「この敷地全体が監視されている」という心理的プレッシャーを与えられます。防犯ステッカーの効果についてはこちらの記事でも解説しています。

死角が多い設置になっている

複数台カメラを設置する場合にはお互いのカメラを監視し合うように設置するのが、一番死角を作りにくいとされています。 死角があると「あそこから入ればカメラに映らない」と計算される可能性があります。

夜間に映らない設定になっている

空き巣の多くは深夜から早朝にかけて発生します。赤外線暗視機能の設定が適切かどうか、夜間の映像を定期的に確認することが大切です。映像がぼやけている・暗くて映っていないという場合はこちらの記事も参考にしてみてください。

抑止効果をさらに高めるための工夫

複数の防犯対策と組み合わせる

防犯カメラだけに頼るより、補助錠・センサーライト・防犯ステッカーと組み合わせることで「この家は防犯対策をしっかりしている」という印象を与えやすくなります。犯人は「手間がかかる家」を嫌います。

カメラの存在を周囲にアピールする

カメラ本体をあえて目立つ場所に設置し、録画中であることを積極的に示すことが抑止力強化につながります。「隠す」より「見せる」の発想が防犯においては有効です。

映像の画質と録画設定を定期的に確認する

いざというときに「映っていなかった」では本末転倒です。画角・画質・録画日数が適切に保たれているか、定期的なチェックが欠かせません。

まとめ――防犯カメラの抑止効果は「ある」、ただし「使い方次第」

データが示す通り、防犯カメラには犯罪抑止効果が確かにあります。特に計画的な窃盗犯に対しては高い効果が期待でき、「この家は狙いにくい」と思わせる環境を作ることが防犯の第一歩です。

ただし、設置場所・台数・見え方・夜間の映像品質まで適切に整えて初めて効果が最大化されます。「とりあえず1台置いておけばいい」ではなく、設置環境に合った計画的な防犯カメラの活用を考えてみてください。

「自分の家にはどう設置すれば効果的か」という相談もお気軽にどうぞ。

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