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防犯カメラの補助金、自治体でこんなに違う|制度を比較してわかる5つのポイント

「防犯カメラの補助金を調べたら、隣の市とまったく内容が違った」——自治会の役員をされている方から、そんな話を聞くことがあります。

実際、防犯カメラの補助制度は自治体ごとに設計が大きく異なります。補助率、上限額、台数制限、対象となる経費——どれも共通の基準があるわけではありません。

この記事では、いくつかの自治体の制度を比較しながら、どこに違いが生まれるのか、そして自分の地域の制度を確認する際に何を見るべきかを整理します。

なお、各制度の内容は年度によって変わります。実際の申請にあたっては、必ずお住まいの自治体の公式情報をご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

ポイント① 補助率と上限額はどれくらい違う?

まず、金額面から見ていきます。

補助率でいえば、2分の1、3分の2、4分の3といった設定が一般的です。たとえば福岡市は75%(4分の3)、名古屋市は3分の2以内、京都市は5割以内という設定になっています。

上限額の幅はさらに大きくなります。1台あたり10万円という自治体もあれば、25万円や30万円という自治体もあります。

同じ工事をしても、地域によって自己負担額が大きく変わるということです。仮に1台30万円の設置費用がかかった場合、補助率75%・上限25万円なら自己負担は7万5千円、補助率50%・上限10万円なら自己負担は20万円になります。

ただし、金額の大小だけで制度の良し悪しは判断できません。上限額が低い自治体は、その分多くの団体に補助を行き渡らせる設計になっている場合もあります。

ポイント② 台数の制限はどうなっている?

台数の考え方も、自治体によってかなり異なります。

1団体2台までという制限を設けている自治体があります。京都市がこの設計で、限られた予算を広く分配する意図がうかがえます。

1団体10台までという自治体もあります。広島市がこの設定で、地域全体を面でカバーする計画が立てられます。

累計での上限を設けている自治体もあります。札幌市では平成30年からの累計で8台という制限があり、過去に補助を受けた分は差し引かれます。

年度ごとの上限と累計上限を併用する例もあります。名古屋市では、単年度の上限に加えて、平成25年度以降の累計上限が設定されています。

自分の団体がすでに補助を受けているかどうか、受けているなら何台分か——これを確認しないまま計画を立てると、想定していた台数が申請できないという事態になります。

ポイント③ 何が補助対象になるのか

補助対象となる経費の範囲も、制度によって差があります。

自立柱(ポール)の扱いは、特に確認が必要な点です。京都市では自立柱の新設にかかる経費が補助対象外とされています。一方、福岡市では自立柱を建てる場合の方が上限額が高く設定されています。この違いは、設置計画に大きく影響します。

表示板の費用は、多くの自治体で対象に含まれています。「防犯カメラ作動中」の掲示は、プライバシーへの配慮として必要なだけでなく、抑止効果を高める役割も果たします。

維持管理費は、多くの自治体で対象外です。ただし、福岡市は令和8年度から電気料金等の維持管理費補助を新設しました。名古屋市にも防犯灯・防犯カメラの電気料金助成が別制度としてあります。

リースの扱いも分かれます。千葉市ではリースの初年度経費が対象となりますが、購入のみを対象とする自治体も多くあります。

申請代行費用は、基本的に対象外です。福岡市では明確に対象外経費と明記されています。業者に代行を依頼する場合、その費用は自己負担になります。

ポイント④ 新規設置以外にも使えるか

意外に見落とされがちなのが、更新や修繕への対応です。

新規設置のみを対象とする制度が多い中で、更新・修繕も対象とする自治体があります。名古屋市は新規設置・更新・修繕のいずれにも対応しています。

更新・修繕が中心になっている自治体もあります。神戸市では新規設置補助が2024年度で終了しており、現在は更新設置(上限8万円)と修繕費(上限5万円)の2制度が中心です。

撤去・再取付けへの補助という珍しい仕組みもあります。札幌市では、設置場所の管理者から撤去・移設の要請があった場合に、1台あたり上限10万円の補助を受けられます。電柱の建て替えや土地の売却など、実際に起こりうる事態への備えといえます。

初期に設置したカメラが更新時期を迎えている地域は多いはずです。「新規設置の制度がないから諦める」のではなく、更新や修繕の制度がないかを確認してみてください。

カメラの寿命や点検の目安については、こちらの記事で解説しています。 → 防犯カメラは「つけたら終わり」じゃない|設置後に必要なメンテナンスと点検の話

ポイント⑤ どんな条件が付いているか

金額以外の要件も、制度によって特徴があります。

防犯活動の実績を求める自治体があります。名古屋市、広島市、仙台市などでは、日頃からパトロールなどの防犯活動を行っている団体が対象とされています。単に地域団体であればよいわけではありません。

警察からの助言を書類として求める自治体もあります。さいたま市では、設置について警察署から助言を受けていることが分かる書類が申請時に必要です。

総会での承認を求める例もあります。名古屋市では、団体の総意であることを確認するため、可決承認された会議名と開催日を記入する必要があります。一部の役員だけで構成される会議では認められません。

継続設置の期間を定める自治体もあります。仙台市では、特定の場所に5年間以上継続して設置することが要件です。

カメラの仕様要件が設けられている場合もあります。広島市では、有効画素数や録画可能時間について一定の要件を満たす必要があるとされています。

これらの条件は、いずれも「適切に設置・運用されるように」という意図から設けられているものです。手間ではありますが、結果的に実効性のあるカメラにつながる要素でもあります。

共通するルールもある

自治体によって違いがある一方で、ほぼ共通しているルールもあります。

交付決定前の着工は対象外という原則は、どの制度にも共通します。「先に設置してから申請する」という進め方はできません。必ず申請、交付決定、工事という順序を守る必要があります。

予算に限りがあることも共通です。先着順の自治体もあれば、審査で選定する自治体もありますが、いずれにせよ申請すれば必ず通るわけではありません。

個人は対象外という点も、多くの自治体で共通しています。街頭防犯カメラは地域全体の安全を目的とするものであり、個人の資産を守る設備とは目的が異なるという整理です。

プライバシーへの配慮が求められることも共通しています。管理規程の作成、管理責任者の選任、表示板の設置——こうした運用面の整備は、どの制度でも前提になっています。

自分の地域の制度をどう調べる?

まず、自治体の公式ページを確認することが基本です。「〇〇市 防犯カメラ 補助金」で検索すれば、多くの場合は公式ページが見つかります。

見つからない場合は、担当窓口に問い合わせるのが確実です。市民安全課、生活安全課、防犯対策課——名称は自治体によって異なりますが、区役所や市役所の窓口で案内してもらえます。

都道府県の制度も確認しておく価値があります。市町村の制度に上乗せする形で補助を行っている県もあります。

募集期間を把握しておくことも重要です。年度の前半に締め切られる制度が多く、気づいたときには終わっていたという事態になりがちです。次年度の募集に備えて、今から準備を始めるという考え方も有効です。

まとめ

防犯カメラの補助制度は、自治体ごとに設計が大きく異なります。補助率、上限額、台数制限、対象経費、付帯条件——確認すべき点は多岐にわたります。

大切なのは、金額の大小だけで判断しないことです。台数の上限、自立柱の扱い、更新への対応、求められる条件——これらを総合的に見て、自分たちの計画に合うかどうかを判断してください。

そして、どの制度を使うにせよ、最も重要なのは「どこに、どう設置するか」です。補助金が下りることと、実際に役立つカメラになることは別の話です。警察への相談を含め、地域の実情をふまえた検討をおすすめします。

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