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古くなった防犯カメラ、補助金で買い替えられます|更新制度がある自治体と判断の目安

「10年前に補助金で設置したカメラが、最近映らなくなった」——地域の役員をされている方から、こうした相談を受けることがあります。

防犯カメラの耐用年数はおよそ5〜8年とされています。全国の自治体で補助制度が本格化したのは2010年代前半からですので、初期に設置されたカメラの多くが更新の時期を迎えています。

問題は、多くの制度が新規設置のみを対象としていることです。「設置には補助があったが、壊れたら自費で買い替え」という状態では、地域の負担が続きます。

ただ、更新にも補助を出す自治体が増えてきました。この記事では、更新制度がある自治体の例と、更新をどう判断すべきかを整理します。なお、制度の内容は年度によって変わりますので、実際の申請にあたっては必ずお住まいの自治体の公式情報をご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

更新制度がある自治体の例

いくつかの自治体では、更新や修繕にも補助が用意されています。

静岡市では、令和7年度から更新制度が新設されました。過去に本事業を利用して設置した街頭防犯カメラが6年以上経過し、画像が記録されないなど交換が必要になった場合が対象です。補助率は新規と同じ10分の9以内、上限額30万円が適用されます。

名古屋市の街頭犯罪抑止環境整備事業補助金は、新規設置・更新・修繕のいずれにも対応しています。補助率3分の2以内、1台につき14万円が限度です。

神戸市では、新規設置補助が2024年度で終了し、現在は更新と修繕が中心となっています。更新設置補助は2010年度から2019年度に設置した団体が対象で、1か所あたり上限8万円。修繕費補助は2019年度から2023年度に設置した団体が対象で、1か所あたり上限5万円です。

堺市の自治会向け制度でも、更新費用への補助が設けられているとされています。

札幌市では、少し性格が異なりますが、撤去・再取付けへの補助があります。設置場所の管理者等から撤去や移設の要請があった場合、1台あたり上限10万円の補助を受けられます。

一方、岡山市では「更新(買い替え)は対象外」と明記されています。自治体によって扱いが分かれる部分ですので、必ず確認が必要です。

引用元:https://www.city.shizuoka.lg.jp/s9623/s000015.html(静岡市「街頭防犯カメラ設置事業補助金」)

更新のタイミングをどう判断する?

補助制度があっても、いつ更新すべきかの判断は自分たちで行う必要があります。

静岡市の制度では「6年以上経過し、画像が記録されないなど、交換が必要になったもの」が対象とされています。つまり、年数だけでなく、実際に不具合が生じていることが条件になっています。

では、どのような状態が「交換が必要」といえるのでしょうか。判断の目安を挙げておきます。

夜間の映像が極端に暗い——赤外線LEDの劣化が疑われます。赤外線LEDには寿命があり、使用時間が長くなるほど光量が落ちます。一般的な寿命は約30,000〜50,000時間とされており、常時点灯しているカメラでは数年で交換時期を迎えることがあります。

映像にノイズや横縞が常に入る——撮像素子や基板の劣化のサインです。

頻繁にフリーズする、映像が途切れる——本体またはケーブルの問題が考えられます。

カバーの内側に結露や曇りがある——防水性能が低下しています。内部への浸水を示す症状であり、放置すると基板が腐食します。

録画データにアクセスできない——記録装置の故障が疑われます。ハードディスクやSDカードには寿命があります。

映像全体が白っぽくぼやける——レンズの劣化やコーティングの剥がれが考えられます。清掃しても改善しない場合は、交換の時期です。

点検の具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラは「つけたら終わり」じゃない|設置後に必要なメンテナンスと点検の話

まず状態を確認することから

「まだ映っているから大丈夫」と思っていても、実際に確認してみると問題が見つかることがあります。

昼間の映像だけで判断しないでください。犯罪の多くは夜間に発生します。暗くなってから実際の映像を確認することが重要です。

録画データを再生してみることも必須です。ライブ映像は見えても、録画が残っていないというケースは実際にあります。過去の映像を呼び出して、正常に再生できるかを確かめてください。

撮影範囲を確認することも忘れずに。強風や振動でカメラの向きがずれ、意図した場所が映っていないことがあります。

時刻設定を確認することも大切です。停電や電池切れの後、内部時計がリセットされていることがあります。日時が不正確では、証拠としての価値が下がります。

こうした確認を行ったうえで、更新が必要かどうかを判断します。市の担当課に相談する際も、具体的な症状を説明できる方が話が早く進みます。

更新は「同じものに戻す」機会ではない

更新のタイミングは、設置全体を見直す好機でもあります。

設置場所は今も適切かを考えてみてください。設置した当時と、地域の状況が変わっていることがあります。新しい建物が建って死角ができた、通学路が変更された、人の流れが変わった——こうした変化があれば、設置場所そのものを見直す価値があります。

**性能は大きく向上しています。**10年前のカメラと現在のカメラでは、性能に相当な差があります。

解像度でいえば、かつては100万画素程度が主流でしたが、現在は200万画素(フルHD)以上が標準です。人物の識別精度が格段に上がります。

夜間性能も進化しています。赤外線による白黒撮影だけでなく、白色LEDを使ったフルカラー夜間撮影に対応した製品が増えました。服の色や車の色といった情報が記録できるようになります。

AI検知機能を搭載した製品も一般化しています。人物と車両を区別して検知することで、風で揺れる木や小動物による誤検知を減らせます。

遠隔での確認も容易になりました。スマートフォンから映像を確認でき、異常時には通知を受け取れます。日常的な点検の負担も軽くなります。

保存期間は足りているかも検討対象です。被害に気づくまでに時間がかかるケースでは、短い保存期間だと肝心な映像が消えています。更新を機に、より大容量の録画機を検討する余地があります。

更新制度がない場合はどうする?

お住まいの自治体に更新制度がない場合、いくつかの選択肢があります。

新規設置扱いになるか確認する——制度によっては、既存カメラの撤去と別場所への新規設置という形であれば対象になる可能性があります。窓口に相談してみる価値はあります。

別の制度を探す——コミュニティ助成事業など、防犯カメラという名称でなくても対象になる制度があるかもしれません。

自主財源で更新する——近年は防犯カメラの価格が下がっています。10年前と比べれば、同等以上の性能の機器をより安価に導入できる可能性があります。

優先順位をつける——複数台を一度に更新するのが難しければ、状態の悪いものから順次入れ替えるという方法もあります。

補助金が使えない場合の選択肢については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラの補助金が使えないとき、どうする?|自治会が取れる5つの選択肢

更新積立という考え方

そもそも、更新が必要になることは設置の時点でわかっています。だとすれば、その費用を計画的に準備しておくことができます。

耐用年数から逆算する——5〜8年後に更新が必要になると想定し、その費用を年数で割った額を毎年積み立てます。

年間予算に組み込む——電気料金と合わせて、防犯カメラ関連の予算として計上します。

引き継ぎ資料に記載する——役員が交代しても、この積立の意味が伝わるようにしておきます。「なぜこの支出があるのか」がわからないと、削減の対象になってしまうこともあります。

設置後の運用体制については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 補助金で設置した防犯カメラ、その後どう管理する?|自治会の運用体制づくり

まとめ

防犯カメラには寿命があり、いずれ更新が必要になります。静岡市、名古屋市、神戸市、堺市など、更新に補助を用意している自治体もありますので、まずはお住まいの制度を確認してみてください。

そして、更新を検討する前に、実際にカメラの状態を確認することが出発点です。夜間の映像、録画データの再生、撮影範囲、時刻設定——これらを確かめることで、更新の必要性が具体的に見えてきます。

更新は、同じものに戻す作業ではありません。設置場所の見直し、性能の向上、保存期間の再検討——設置全体を改善する機会として活用することをおすすめします。

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