防犯カメラの補助制度では、設置費用は対象でも、その後の維持管理費は自己負担というのが一般的です。
その点、宇都宮市の制度は異なります。「防犯カメラ設置費補助金」と「防犯カメラ管理費補助金」の2種類があり、後者では電気料金、電柱共架料、修繕費、保守点検委託費が全額補助されます。
さらに、地区によって補助率が変わる仕組みや、6年経過したカメラの更新補助も用意されています。この記事では、制度の全体像を整理します。
なお、内容や受付期間は変更される場合がありますので、実際に申請される際は必ず宇都宮市の公式ページか生活安心課でご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。
対象となる団体
補助の対象は、防犯カメラを設置し、その維持管理を行う**「単位自治会」および「地区連合自治会」等**です。
制度の目的として、市の案内では「地域の安全・安心を担う自主防犯活動を支援するため、地域の活動を補完する対策の一つとして」と説明されています。あくまで地域の防犯活動を補うものという位置づけです。
引用元:https://www.city.utsunomiya.lg.jp/kurashi/anshin/bouhan/1003455.html(宇都宮市「防犯カメラに係る補助制度」)
設置費補助金——地区によって補助率が違う
宇都宮市の制度で特徴的なのが、一般地区と重点地区で補助率が異なる点です。
新設の場合、一般地区は対象経費の3分の2(補助上限220,000円)、重点地区は対象経費の4分の3(補助上限247,500円)となっています。
更新の場合は、一般地区が3分の2(補助上限170,000円)、重点地区が4分の3(補助上限190,000円)です。
重点地区とは、不特定多数の人の出入りがある、特に防犯対策の強化を図るべき地区とされています。具体的には、JR宇都宮駅東地区と、東武宇都宮駅周辺地区(オリオン通り周辺、本町・泉町周辺)が指定されています。
市のページには具体的な町名も列挙されていますので、自分の地域が該当するか確認してみてください。
**計算例も示されています。**設置費が総額300,000円の場合、一般地区であれば300,000×2/3=200,000円が補助され、自治会負担は100,000円という計算です。
6年経過で更新補助が使える
更新についても補助が用意されています。
対象となるのは、補助制度を活用して設置した防犯カメラのうち、設置完了から6年を経過した防犯カメラです。対象経費には、カメラの購入、設置工事、旧カメラの撤去等が含まれます。
「新規設置には補助があったが、壊れたら自費で買い替え」という制度では、地域の負担が続きます。更新にも補助があることで、長期的に維持していける仕組みになっています。
なお、更新の計算例も示されています。更新費が総額260,000円の場合、260,000×2/3=173,333円となりますが、補助上限170,000円を上回るため補助額は170,000円。自治会負担は90,000円という計算です。
更新の判断については、こちらの記事も参考になります。 → 古くなった防犯カメラ、補助金で買い替えられます|更新制度がある自治体と判断の目安
管理費補助金——電気料金が全額
もうひとつの制度が、防犯カメラ管理費補助金です。
対象となるのは、「防犯カメラ設置費補助金」を受けて設置したものです。自主財源で設置したカメラは対象外ということになります。
補助されるのは、自治会が負担した次の費用の全額(100円未満切捨て)です。
電気料金(1月分から12月分)
電柱共架料
修繕費(上限17万円、重点地区の場合上限19万円)
保守点検委託に係る経費(1台目は2万円、2台目からは1万円が上限)
ただし注意点もあります。修繕については「大規模な機器の修繕は補助の対象とはなりません。保守点検を行った上で、必要最小限の修繕に係る費用のみが補助の対象」とされています。
管理費補助金の申請手続きについては、12月下旬頃に生活安心課から設置団体の代表者宛てに申請書類一式が送付されるとのことです。自分から申請書を探しに行く必要がない設計になっています。
維持管理費への補助については、こちらの記事でも触れています。 → 防犯カメラの電気代にも補助が出る自治体があります|維持管理費の負担をどう軽くするか
補助対象機器の仕様要件
宇都宮市では、対象となるカメラの仕様が具体的に定められています。
まず、次の3つの要件を満たす必要があります。犯罪の防止を目的とすること。不特定多数の者が出入りする道路や公園等の公共空間を撮影対象とすること。そして、撮影機能および録画機能が定められた仕様を満たすこと。
撮影機能の仕様として、有効画素数38万画素以上、24時間稼働で夜間も人物等が特定できること——が挙げられています。
録画機能の仕様は、録画時間が概ね2週間程度、録画速度が毎秒4コマ以上、記録画像サイズが720×480画素以上、記録媒体はメモリーカードまたはハードディスクを備え、USBメモリー等の外部記録媒体に画像が複写できること——とされています。
これらは最低限の基準です。現在市販されているカメラの多くは、この水準を大きく上回っています。ただし、外部記録媒体への複写ができることという要件は、機種によって対応が分かれる可能性がありますので確認が必要です。
機種選定のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 補助金で設置する防犯カメラ、どんな仕様を選ぶべき?|要件を満たしつつ実用性を確保する
代理受領という仕組み
宇都宮市では、補助金の支払い方法について選択肢があります。
**「自治会による受領」または「工事業者による代理受領」**のいずれかを選べます。
代理受領を選んだ場合、自治会は機器および工事代金から補助額を差し引いた額(自治会負担分)だけを業者に支払えばよいことになります。
これは実務上、大きなメリットです。通常であれば、自治会が一旦全額を業者に支払い、後から補助金を受け取るという流れになります。一時的にせよ、まとまった資金を用意する必要があります。
代理受領であれば、その負担がありません。会計に余裕のない団体でも導入しやすくなります。
なお、市の案内では「自治会負担分の領収書も忘れず受領してください」と注意喚起されています。実績報告に必要な書類ですので、確実に受け取っておきましょう。
事前協議から始まる流れ
宇都宮市の制度では、事前協議という段階があります。
公開されている様式を見ると、事前協議の段階で次の書類が必要になります。事前協議申請書(様式第1号)、団体調査票(様式第2号)、議事録(参考様式第1号)、防犯カメラの設置個所及び撮影範囲を示した図面等(参考様式第2号)——といったものです。
議事録の参考様式が用意されている点は、実務上ありがたいところです。団体内での合意形成を示す書類として、どのような内容を記載すべきかがわかります。
交付申請の段階では、交付申請書(様式第4号)に加えて、管理運用規定、管理運用責任者及び操作取扱者届出書、収支予算書(参考様式第3〜5号)が必要になります。
管理運用規定の参考様式も公開されていますので、ゼロから作成する必要はありません。
管理運用規程の作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラの「管理運用規程」をどう作る?|補助金申請で求められる文書の中身
手引きと設置基準を確認する
宇都宮市では、**「防犯カメラ補助制度の手引き」と「宇都宮市防犯カメラ設置基準」**が公開されています。
手引きは860KBというボリュームですので、制度の詳細が丁寧に説明されていると考えられます。申請を検討する段階で、まず目を通しておくことをおすすめします。
設置基準は、プライバシーへの配慮を含めた運用のルールを定めたものです。栃木県のガイドラインへのリンクも掲載されていますので、併せて確認しておくとよいでしょう。
令和8年度の受付状況
市のページによれば、令和8年度の防犯カメラ設置費補助金の受付は開始されており、7月31日が締切とされていました。
年度の前半で締め切られる制度ですので、準備は早めに始める必要があります。事前協議の段階から数えると、さらに前倒しが必要でしょう。
今年度に間に合わなかった場合でも、次年度に向けて準備を進めることができます。設置場所の検討、警察への相談、団体内での合意形成——これらを丁寧に進めておけば、次回はスムーズに申請できます。
まとめ
宇都宮市の防犯カメラ補助制度は、設置費と管理費の2本立てという点が最大の特徴です。特に管理費補助金では、電気料金・電柱共架料・修繕費・保守点検費が全額補助されます。
設置費補助金は、一般地区が3分の2(上限22万円)、重点地区が4分の3(上限24.75万円)。6年経過したカメラの更新にも補助が用意されています。
そして、工事業者による代理受領が可能な点も、資金繰りの面で大きな利点といえます。
まずは公開されている手引きを確認し、生活安心課に相談してみることをおすすめします。
ワイズセキュリティでは、防犯カメラのオンラインストアを開設しています。最新スペックの防犯カメラを順次ラインナップしており、全製品1年保証付きです。設置場所や用途に合ったカメラ選びについてのご相談も承っていますので、お気軽にどうぞ。
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