台風が接近すると、雨戸を閉める、飛ばされそうなものを片付ける、非常用品を確認する——こうした準備をされると思います。
このとき、防犯設備についても確認しておくと、後々の負担が減ります。屋外に設置されたカメラやセンサーライトは、強風や大雨の影響を直接受けるからです。
そして、台風が過ぎた後にも確認すべきことがあります。この記事では、台風の前後に行いたい点検を整理します。
台風で防犯設備に起きること
まず、どのような影響があるのかを確認しておきましょう。
カメラの向きがずれる——強風で本体が動き、それまで映していた範囲が映らなくなることがあります。取付金具が緩んでいれば、その可能性は高まります。
落下・破損——設置が不十分な場合、カメラ本体が落下することがあります。飛来物が当たって破損するケースもあります。
浸水——防水性能があっても、強い横殴りの雨では隙間から水が入ることがあります。特に、ケーブルの接続部は弱点になりやすい箇所です。
レンズへの付着——雨滴、泥、葉——レンズが汚れれば映像は不鮮明になります。
停電——電源式のカメラは動作を停止します。録画も止まります。
通信の途絶——Wi-Fiルーターが停止すれば、遠隔での確認ができなくなります。
アンテナ・電柱の損傷——電柱に共架している場合、電柱自体が損傷すればカメラも影響を受けます。
台風が来る前の確認
接近が予測された段階で、できることを整理します。
取付部の確認——カメラや金具がぐらついていないか、実際に手で触れて確認します。緩みがあれば、可能な範囲で締め直しておきましょう。高所の場合は無理をせず、業者に相談することも検討してください。
周囲の飛来物になりそうなもの——鉢植え、物干し竿、ゴミ箱、看板——カメラに当たる可能性のあるものを片付けます。
ケーブルの状態——たるんだケーブルが風で揺れると、接続部に負荷がかかります。固定できる部分は固定しておきましょう。
録画データのバックアップ——重要な映像があれば、この機会に別のメディアに保存しておきます。機器が故障すれば、データも失われる可能性があります。
現状の記録——設置状態を写真に撮っておくと、被害が生じた際の比較材料になります。保険請求の際にも役立つことがあります。
バッテリーの充電——バッテリー式のカメラであれば、満充電にしておきます。停電時にも稼働を続けられます。
停電への備え
台風では停電が発生することがあります。
電源式カメラは停止する——これは避けられません。停電中は録画も遠隔確認もできなくなります。
バッテリー式・ソーラー式は稼働を続ける——電源に依存しないため、停電中も動作します。ただし、Wi-Fi経由で通信している場合、ルーターが止まれば遠隔確認はできません。
モバイルバッテリーの準備——スマートフォンの電池切れは、情報の遮断を意味します。充電しておきましょう。
UPS(無停電電源装置)——録画機を保護する目的で導入している場合、稼働時間を確認しておきます。突然の電源断はハードディスクの故障につながるため、安全にシャットダウンする時間を確保できます。
手動での対応——電動シャッターがある場合、停電時の手動操作方法を確認しておいてください。
停電時の防犯設備については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 停電したとき、あなたの防犯設備は動きますか?電源が切れたときの備えを考える
台風の後に確認すること
通過後、安全が確認できたら点検を行います。
外観の確認——カメラ本体、金具、ケーブル——目視で異常がないか確認します。傾いていないか、ひび割れがないか、ケーブルが引っ張られていないか。
映像の確認——実際に映像を見て、意図した範囲が映っているかを確認します。向きがずれていれば、調整が必要です。
録画の確認——ライブ映像だけでなく、録画データが正常に残っているかを確認してください。停電の影響で記録が止まっている可能性があります。
時刻設定の確認——停電後、内部時計がリセットされていることがあります。日時が不正確では、証拠としての価値が下がります。
内部の結露・曇り——カバーの内側に水滴が見られる場合、浸水しています。放置すると基板が腐食しますので、早めの対処が必要です。
レンズの清掃——泥や水滴の跡が残っていれば、柔らかい布で拭き取ります。
点検の具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラは「つけたら終わり」じゃない|設置後に必要なメンテナンスと点検の話
災害後に増えるトラブル
台風の後には、防犯とは別の問題も生じます。
修理を装った訪問業者——「屋根が壊れているのが見えた」「保険が使えます」——災害後にこうした訪問が増えることが報告されています。
その場で契約しないという原則を守ってください。急かす言葉が出た時点で、疑ってよい相手です。複数社から見積もりを取り、家族や知人に相談してから判断することをおすすめします。
保険金請求のトラブル——「保険で無料になる」という説明を受けて契約したが、実際には保険が下りず高額な請求を受けた——というケースがあります。保険の適用は保険会社が判断するものであり、業者が保証できるものではありません。
便乗した窃盗——被害を受けた家屋が無防備になっている状況を狙う行為です。屋根や壁が破損していれば、そこから侵入される可能性もあります。応急的な処置でも、開口部を塞いでおくことが重要です。
訪問販売への対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 訪問販売・点検商法の断り方|玄関先で身を守るための対応マニュアル
設置時に考えておくこと
これから設置する場合、強風への配慮を設計に含めておくとよいでしょう。
風の当たりにくい位置——建物の角、吹き抜けになる通路——こうした場所は風速が上がります。可能であれば避けるか、より強固な固定を行います。
庇の下への設置——雨や飛来物の直撃を避けられます。日射による劣化も抑えられます。
取付金具の強度——カメラ本体の防水性能だけでなく、金具の材質と固定方法も重要です。ステンレス製など、腐食に強い素材が望ましいでしょう。
ケーブルの固定——たるみを作らず、一定間隔で固定します。接続部の防水処理も確実に行います。
IP規格の確認——屋外設置ではIP65以上、できればIP66以上が推奨されます。強い水流に耐える性能があるかを確認してください。
IP規格については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラの防水防塵性能とは?IPレベルの見方を解説
地域による違い
台風の影響は地域によって大きく異なります。
沿岸部——強風に加えて塩害の問題があります。金属部分の腐食が早く進むため、定期的な確認と、耐塩害仕様の機器の検討が有効です。
台風の常襲地域——沖縄や九州南部では、毎年複数回の台風が接近します。年間を通じた点検スケジュールを組んでおくとよいでしょう。
積雪地域——台風とは別ですが、雪の重みや着雪による影響があります。庇の下への設置、角度の工夫が有効です。
まとめ
台風の前には、取付部の確認、飛来物の片付け、録画データのバックアップ、バッテリーの充電——といった準備が有効です。
そして通過後には、外観、映像、録画、時刻設定、内部の結露——これらを確認してください。「映っているだろう」という思い込みが、いざというときの空白を生みます。
災害後には、修理を装った訪問業者にも注意が必要です。その場で契約せず、複数社から見積もりを取るという原則を守ってください。
年に数回の確認機会と捉えて、台風の前後に点検する習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
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