防犯ブログ

家を建てる前に決めておきたい防犯のこと|図面の段階で考えたい、カメラと配線の準備

家づくりの打ち合わせは、決めることがとにかく多いですよね。間取り、キッチンの仕様、壁紙の色、収納の位置。気がつけば何か月も打ち合わせが続いて、外構や設備のことは「あとでゆっくり考えよう」となりがちだと思います。

防犯も、そのひとつです。住み始めてから「やっぱりカメラをつけたい」と思い立つ方は多いのですが、いざ相談を受けて現地を見ると、「ここに配線を通せたら楽だったのに」という場面にたびたび出会います。

今回は、これから家を建てる方に向けて、図面の段階で一度考えておくと後から助かる、防犯カメラまわりの準備についてまとめてみました。

防犯って、建てる前から考えたほうがいいの?

結論からいえば、考えられるうちに考えておくほうが、選択肢が広がると思います。

住宅メディアで紹介されていた調査では、戸建て住宅の防犯対策を重視したいと答えた人が8割近くにのぼり、取り入れたい設備として最も多く挙がったのは防犯カメラでした。不安を感じる場所は「窓」が最多だったそうです。あわせて、注文住宅なら間取りや外構、窓の配置を決める計画の段階から防犯性を考えられる、という点も指摘されています。

自治体が出している住宅の防犯指針を見ても、新築の住宅が対象に含まれています。大阪府のガイドブックは、新築される戸建住宅と、改修される既存の戸建住宅の両方が対象で、防犯性を「企画・計画・設計」という流れで整理しています。あとから足すというより、計画のなかに組み込んでいく考え方だと思います。

もちろん、住んでから防犯カメラを追加することはできます。ただ、壁の中や外壁まわりの工事が必要になるほど、後からでは手間も費用もかかりやすくなるのが実情です。

家の防犯の「基本の考え方」はどうなっているの?

自治体の指針に共通しているのは、次のような考え方です。

  • 周囲からの見通しを確保する(人目が届く環境をつくる)
  • 居住者の意識を高め、地域とのつながりをつくる
  • 犯罪を企てる人が近づきにくくする
  • 玄関扉や窓などを、壊されにくい部材にする

栃木県の指針では、見通しに配慮した配置や動線の計画に加えて、必要に応じて防犯カメラを設置することも盛り込まれています。つまり防犯カメラは、見通しや照明、部材の強化と並ぶ対策のひとつ、という位置づけです。

カメラだけに頼るのではなく、建物と敷地の設計全体で考える。図面を見ながら考えるのは、そのためでもあります。

後から困りやすいのは、どんなところ?

ご相談でよく出てくるのは、カメラ本体よりも「配線」と「電源」の話です。

ケーブルを通す道がないことは、とくに多いです。外壁の内側や軒天井のなかを通せれば、ケーブルを外に出さずにすっきり仕上がります。ところが、すでに壁が仕上がっていると、露出配線にするか、壁や天井に穴を開けて通すかの選択になり、見た目や防水の面でも悩ましくなります。

屋外にコンセントがない場所も意外と多いです。カメラやセンサーライトを付けたい位置のそばに電源がなく、延長コードで窓からつなぐ、という形になってしまうことがあります。屋外コンセントの扱いについては屋外コンセントは大丈夫ですか|電源まわりの管理という視点で書いていますが、新築のうちなら、位置を決めて防水仕様のものを付けておくことができます。

録画機やネットワーク機器を置く場所がないことも見落としがちです。録画機やハブは、電源と通信の口が必要で、熱もこもりにくい場所に置きたい機器です。分電盤や情報の配線をまとめる場所の近くに置き場所を決めておけば、あとで整理がしやすくなります。

図面を見ながら、何を確認すればいい?

家づくりの打ち合わせのときに、次のような点を一度確認してみてください。

カメラをつけたい場所の候補を決める。 玄関まわり、勝手口、駐車場、リビングの掃き出し窓の外、家の裏手や側面などが候補です。細かい機種や画角は後で構いませんので、「このあたりを映したい」という位置のメモだけでも役に立ちます。

そこまで配線を通せるか考える。 候補の位置に向けて、壁のなかや天井裏を通る経路があるか。建築会社に「あとからカメラを付けるかもしれない」と伝えておくと、配管だけ先に入れておくという提案をもらえることもあります。

屋外コンセントや外灯の位置を決める。 玄関、勝手口、駐車場、庭など、人の出入りがある場所に屋外照明をつけること、建物の死角になる場所にはセンサーライトを検討することは、山形県の指針でも望ましい例として挙げられています。照明の考え方は家の周りの照明をどう配置するかでも詳しく書いています。

侵入の足場にならない配置にする。 駐車場に屋根をつけるなら、窓への足場にならない位置や構造にする、という点も同じ指針で触れられています。カーポートや物置の位置は、図面の段階なら動かしやすい部分です。

死角を図面でさがしてみる。 建物の凹凸や塀の配置によって、道路から見えない場所ができていないか。カメラを付けても映らない場所は、設計の時点で見つけておくほうが楽です。映っていない場所の見つけ方は、防犯カメラの「死角」はどこにできる?にまとめています。

カメラの機種は、今決めなくていいの?

防犯カメラは機能の進化が早いので、入居する時期に合わせて選ぶほうが、新しい機種を選べて安心だと思います。

ですから、建築の段階で準備しておきたいのは、機種ではなく「通り道」と「電源」です。空配管を入れておく、屋外コンセントを付けておく、機器を置く場所を確保しておく。このあたりを押さえておけば、後でどんなカメラを選んでも対応しやすくなります。

なお、電源まわりの工事は、内容によっては電気工事士の資格が必要になります。どこまでを建築会社に頼み、どこからを専門業者に頼むのか、費用や保証も含めて、早めに確認しておくと安心です。

一戸建てに合うカメラの種類やメリット・デメリットは、一戸建て・新築におすすめの防犯カメラでも整理していますので、あわせて読んでみてください。

まとめ

家づくりの防犯は、カメラを何台つけるかよりも、見通し、照明、侵入しにくい窓や玄関、そして配線と電源の準備まで含めて考えるものだと思います。

とくに配線や電源は、建てる前なら無理なく用意できて、建てた後だと手間がかかりやすい部分です。カメラは後から選べますが、壁のなかの道は後から作りにくいということを、頭の片隅に置いておいていただけるといいのではないでしょうか。

次の打ち合わせでは、間取り図の外側にも目を向けて、「ここを映したい」「ここに電源がほしい」と、ひとこと伝えてみてはいかがでしょうか。少しでも参考になればうれしいです。

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引用元:https://koubo.jp/article/94812(コウボ 戸建て住宅の防犯対策に関する調査の紹介記事) 引用元:https://www.pref.tochigi.lg.jp/h11/town/jyuutaku/jyuutaku/documents/hanzaibousi_sisin.pdf(栃木県 犯罪の防止に配慮した住宅に関する指針) 引用元:https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/35038/kodate-gaido.pdf(大阪府 防犯に配慮した戸建住宅に係る設計指針・ガイドブック) 引用元:https://www.pref.yamagata.jp/documents/19752/jyutaku.pdf(山形県 犯罪の防止に配慮した住宅の構造、設備等に関する指針)