2025.02.05(2025.06.15更新)/ カテゴリ:ネットワークカメラ
防犯カメラを遠隔から監視する場合はインターネットが必要になります。インターネットは自宅のWIFIや光回線などを使いますが、場所によってはWIFIなどインターネット回線がない場所があります。そういった場合に使えるのがSIMカードを使った防犯カメラです。スマホ回線を使った防犯カメラと言えば分かりやすいかもしれません。今回はそんなSIMカメラについて、仕組みから設置場所・費用・注意
1. SIMカメラの仕組み ― どうやって映像を送るのか
SIMカメラとは、スマートフォンと同じようにSIMカード(通信用ICカード)を本体に挿入し、携帯電話の4G・LTE回線を使って映像をインターネット上に送信する防犯カメラのことです。WIFIルーターや光回線などの固定インターネット環境が一切不要で、電源さえ確保できればどこでも設置・稼働できるのが最大の特徴です。
撮影した映像はリアルタイムでクラウドサーバーやスマートフォンアプリへ転送され、外出先からでもいつでも映像を確認できます。また動体検知機能と組み合わせることで、不審者を検知した瞬間にスマートフォンへプッシュ通知を送ることも可能です。
WIFIカメラとの大きな違いは「自前のWIFIルーターが不要」という点です。WIFIカメラはWIFIルーターと同じ建物内や近距離に設置する必要がありますが、SIMカメラは4G電波が届く場所であれば建物の有無や距離に関わらず設置できます。
2. どういった場所で使われるのか
そもそもSIMカメラはどういう場所で使われるのでしょうか。先ほどもご説明したようにインターネット回線がない場所で使われていますが、主には畑や田んぼ、キャンプ場、山間部の建設現場など、まだまだインターネット環境がない場所は多くあるのが現実です。
代表的な設置シーン
農地・畑・果樹園 鳥獣被害の監視や農機具・資材の盗難対策として導入が増えています。農地は広大で、光回線を引くコストや手間が大きく、SIMカメラが最もコストパフォーマンスの高い選択肢になるケースが多いです。
山間部・建設現場 インターネット回線を引けない山間部の現場事務所や資材置き場での監視に活用されています。工期が短い仮設現場でも、SIMカメラなら工事不要で素早く設置・撤去が可能です。
空き家・別荘 長期不在になる空き家や別荘の不審者侵入監視に。固定回線を維持するランニングコストが不要なため、使用頻度が低い物件にも向いています。
駐車場・屋外資材置き場 建物から離れた屋外駐車場や倉庫の監視に。配線工事が難しい場所でも手軽に設置できます。
移動・仮設での利用 イベント会場・工事現場など、定期的に設置場所が変わる用途にも最適です。SIMカメラは配線不要のため、設置・移設が非常に簡単です。
ポケットWIFIやスマホのテザリングでは代用できないのか
SIMカードを使った通信であれば、ポケットWIFIやスマホのテザリングなどでもいいのではないかと思われますが、使用には注意が必要です。理由としてはポケットWIFIなどは使わない場合にスタンバイモードになってしまったり、通信ができなくなる可能性があるためです。防犯カメラは24時間365日、常時接続・常時録画が求められるセキュリティ機器です。スタンバイモードで通信が途切れると、その間の映像が記録されず防犯の意味をなさなくなってしまいます。
また、テザリングはスマートフォンのバッテリー消費が激しく、長時間の運用には向いていません。SIMカメラ専用のSIMカードを使うことで、こうした問題なく安定した常時接続が実現できます。
3. SIMカメラは費用が高いのか
SIMカメラはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。実際のWIFIカメラに比べて機器の費用は高くなります。またスマホと同じく月額費用がランニングコストとしてかかってきます。このランニングコストがネックになってくるので、できる限り安く抑えたいところです。
初期費用(機器代)の目安
SIMカメラの本体価格はWIFIカメラと比べてやや高く、一般的には1万5,000円〜4万円程度の製品が中心です。ソーラーパネル搭載モデルや高画質モデルはさらに高くなることがあります。一方で、光回線の新規引き込みや設置工事が不要なため、システム全体の初期費用ではトータルコストが安く抑えられるケースも多いです。
ランニングコスト(月額SIM費用)の目安
SIMカードの月額料金は選ぶキャリアやプランによって大きく異なります。
- 格安SIM(MVNO)の低容量プラン: 300円〜800円/月程度
- 大手キャリア(docomo・au・SoftBank): 1,000円〜3,000円/月以上
- IoT向けデータSIM(法人向け): 数百円〜数千円/月(台数・容量による)
映像を常時クラウドに転送する場合は月間データ消費量が多くなるため、大容量プランが必要です。一方、「動体検知時のみ映像送信+本体のmicroSDカードにローカル保存」という運用にすれば、月3GB以下に抑えられることが多く、格安SIMの低容量プランで十分まかなえます。
VPN制限に注意
またSIMカードによってはVPNサーバーを利用していることで、遠隔監視ができない場合もありますので、互換性などありますので選ぶ際は注意が必要です。特に一部の格安SIMはキャリアのネットワーク構成上、特定のポートやP2P通信が制限されており、カメラアプリからの接続ができないケースがあります。購入前にSIMカードとカメラの動作確認が取れているかをメーカーや販売店に確認するようにしましょう。
4. SIMの通信方式は
現在のところSIMカメラで使われている通信方式としては4G・LTE通信がメインになっています。LTE通信とはWIFIとは違い、基地局によりますが数キロから数百メートルの距離の電波を飛ばすことができます。MNO(主要キャリア)はドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクがあります。最近では楽天モバイルも選択肢の一つになりました。
LTEは電波塔の設置場所によって電波強度が変わってきますので、各キャリアの電波がどれくらい届くのか確認した上で選ぶようにしましょう。
4G/LTEとWIFIの違い
| 項目 | 4G/LTE(SIMカメラ) | WIFI(WIFIカメラ) |
|---|---|---|
| 通信インフラ | 携帯電話基地局 | 自前のWIFIルーター |
| カバーエリア | 国内広域(電波塔依存) | 半径数十m(ルーター依存) |
| 月額費用 | SIM料金が必要 | 固定回線があれば追加不要 |
| 設置自由度 | 非常に高い | WIFIルーター近辺に限定 |
| 通信安定性 | 電波環境による | ルーター環境による |
各キャリアの電波エリア確認方法
設置予定場所が4G電波圏内かどうかは、各キャリアの公式サイトで提供されている「エリアマップ」で確認できます。
- NTTドコモ: https://www.docomo.ne.jp/service/area/
- au(KDDI): https://www.au.com/mobile/area/
- SoftBank: https://www.softbank.jp/mobile/network/area/
- 楽天モバイル: https://network.mobile.rakuten.co.jp/area/
実際に設置予定場所でスマートフォンを使ってみて、4G電波が安定して入るかどうかを事前に確認することを強くおすすめします。エリアマップ上は圏内であっても、地形・建物・木々の影響で実際には電波が弱い場合もあります。
5Gへの対応状況
現在は4G/LTEが主流ですが、5G対応のSIMカメラも徐々に登場しています。5Gは通信速度が格段に速く、高画質映像のリアルタイム転送や低遅延な遠隔監視が可能です。ただし5Gのエリアカバレッジは都市部に偏っており、農地や山間部ではまだ4G/LTEの方が現実的な選択肢です。
5. SIMサイズ
SIMカードには3種類の大きさがあります。使用する機器に合わせてSIMサイズを選ぶ必要があります。
3種類のSIMサイズ
nanoSIM(ナノSIM) サイズ:12.3mm × 8.8mm。現在最も普及している最小サイズです。最新のスマートフォンやSIMカメラの多くがこのサイズに対応しています。
microSIM(マイクロSIM) サイズ:15mm × 12mm。nanoSIMよりひとまわり大きいサイズです。やや古い機器に採用されていることが多いです。
標準SIM(miniUIM) サイズ:25mm × 15mm。3種類の中で最も大きいサイズです。現在は対応機器が少なくなっています。
それぞれのSIMカードサイズは対応していない機器では使用できませんので、購入する際にはしっかりと確認して注文するようにしましょう。
SIMサイズ変換アダプターについて
異なるサイズのSIMカードを変換して使える「SIMアダプター」という製品もありますが、防犯カメラへの使用は推奨しません。アダプターの品質によっては接触不良が起きやすく、通信の不安定化や機器の故障につながるリスクがあります。カメラの対応SIMサイズに合ったSIMカードを最初から選ぶのが確実です。
eSIMへの対応
最近ではSIMカードを物理的に挿入せず、本体に内蔵されたチップ(eSIM)に通信プロフィールを書き込む方式の機器も登場しています。現時点ではSIMカメラへのeSIM普及はまだ限定的ですが、今後は増えていくと予想されます。
6. SIMカードの不具合と対策
SIMカードにもIT機器同様に不具合がありますので注意が必要です。以前、NTTドコモが一部の製造番号のSIMカードに製造工程上の不足があり、突然通信ができなくなる可能性があるとニュースになりましたが、そうした不具合も念頭に入れておく必要があります。
防犯カメラはセキュリティ機器になりますので、映像が確認できなくなることにはリスクがあります。しっかりと対応できるか確認した上で購入するようにしましょう。
起こりうる不具合と原因
SIMカードの接触不良 本体への挿入が不完全だったり、SIMスロットに汚れやほこりが溜まると接触不良が起きます。定期的にSIMカードを抜き差しして清掃することで予防できます。
SIMカードの経年劣化 SIMカードにも寿命があります。一般的には5〜10年程度使用できますが、屋外設置で高温・湿度にさらされる環境では劣化が早まることがあります。通信エラーが頻発するようになったら交換を検討しましょう。
キャリア側のネットワーク障害 設備メンテナンスや自然災害によるキャリア側のネットワーク障害で一時的に通信が途絶えることがあります。複数キャリアへの対応(デュアルSIM機器の活用など)で冗長性を持たせることも有効です。
プランの契約・解約ミス 通信プランの有効期限切れや誤解約により突然通信できなくなるケースもあります。SIMカードの契約期間・更新日の管理を徹底しましょう。
不具合が発生した際の対処法
- まずスマートフォンでも同じSIMカードで通信できるか確認する
- カメラの電源を一度オフにして再起動する
- SIMカードを抜いて清掃し、再挿入する
- キャリアのネットワーク障害情報を確認する
- それでも解決しない場合はSIMカードの交換、またはカメラメーカーへ問い合わせる
7. SIMカメラを選ぶ際のポイント
SIMカメラを購入する際に確認しておきたい主なポイントをまとめました。
対応バンド(周波数帯)を確認する
日本の4G/LTEは複数の周波数帯(バンド)を使用しています。カメラが使用したいキャリアの対応バンドに合っていないと、電波が届かない、または弱くなる場合があります。
- NTTドコモ系: Band 1 / Band 3 / Band 19(プラチナバンド)など
- au(KDDI)系: Band 1 / Band 18 / Band 26(プラチナバンド)など
- SoftBank系: Band 1 / Band 3 / Band 8(プラチナバンド)など
特に「プラチナバンド(700〜900MHz帯)」は建物内や山間部でも電波が届きやすい特性があるため、農地や山間部での使用には必ず対応バンドを確認しましょう。
電源の確保方法を決める
電源コンセントがある場所では通常のAC電源で問題ありませんが、電源がない屋外では以下の方法を検討しましょう。
- ソーラーパネル内蔵モデル: 日照条件が良い場所であれば最も手軽。電源工事不要で完全ワイヤレス運用が可能
- 大容量バッテリー内蔵モデル: 日照条件が悪い場所でもバッテリー切れまで稼働。充電の手間はかかる
- ソーラー+バッテリー併用モデル: 最も安定した電源確保方法。日照不足の日が続いても稼働継続可能
データ保存方法を確認する
SIMカメラの映像データの保存方法は主に以下の3種類です。
- microSDカードへのローカル保存: 月額費用なし。本体を盗まれると映像も失われるリスクがある
- クラウド録画: 月額費用が発生するが、遠隔地からの映像確認や映像の安全な保管が可能
- ローカル+クラウドの併用: 通常はローカル保存し、検知時のみクラウドへ送信する設定が最もコスト効率が高い
防水・防塵性能(IP規格)を確認する
屋外設置が多いSIMカメラでは、防水・防塵性能は必須の確認項目です。屋外設置にはIP65以上を推奨します。IP66やIP67であれば、強い雨や一時的な水没にも対応できます。
メーカーのサポート体制を確認する
SIMカメラはSIMカードの設定(APN設定など)が必要なため、初期設定に不安がある方は国内サポートが充実したメーカーの製品を選ぶことをおすすめします。購入後のトラブル時に日本語でサポートを受けられるかどうかは、安心して長期運用するための重要な判断基準です。
8. まとめ
SIMカメラは「電源さえあればどこでも設置できる」という大きな自由度を持つ防犯カメラです。農地・建設現場・空き家・駐車場など、従来の防犯カメラでは対応が難しかった場所の監視を手軽に実現できます。
月額のSIM通信費がランニングコストとして発生しますが、動体検知連動録画やmicroSDカードへのローカル保存を組み合わせることで、コストを最小限に抑えた運用が可能です。
導入前には設置場所の4G電波強度の確認、対応バンドの確認、SIMサイズの確認、電源の確保方法の検討を必ず行いましょう。これらをしっかり事前確認することで、設置後のトラブルをほぼ防ぐことができます。
こんな方にSIMカメラがおすすめです:
- 光回線・WIFIが届かない場所に防犯カメラを設置したい方
- 農地・畑・果樹園の鳥獣被害・盗難を監視したい農家の方
- 長期不在になる別荘・空き家を遠隔監視したい方
- 工事現場・仮設での短期間の監視に使いたい方
- 設置・撤去を繰り返す移動用途に使いたい方
ご不明な点やご相談はワイズセキュリティまでお気軽にお問い合わせください。
営業時間:9時〜18時(不定休) TEL:050-3172-8889 お問い合わせ:https://wizsecurity.jp/contactus/ オンラインストア:https://wizsecurity.jp/shop/
※本記事の情報は2025年6月時点のものです。SIMカードの料金プランやエリアカバレッジは変更になる場合があります。最新情報は各キャリアの公式サイトをご確認ください。
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