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札幌市の防犯カメラ補助金は「全額補助」って本当?地域防犯カメラ設置補助事業を解説【令和8年度】

防犯カメラの補助金制度は多くの自治体で実施されていますが、その多くは「補助率2分の1」や「3分の2」といった形で、団体側にも一定の負担が生じます。

その点、札幌市の制度は少し変わっています。1台あたりの上限額の範囲内であれば、対象となる費用の全額が補助されるという仕組みだからです。

この記事では、札幌市の地域防犯カメラ設置補助事業について、制度の内容と申請時の注意点を整理します。

なお、制度の内容や受付期間は年度によって変わります。実際に申請される際は、必ず札幌市の公式ページか担当窓口で最新の情報をご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

どんな制度なの?

札幌市では、地域での街頭犯罪の抑止を目的として、町内会等を対象とした防犯カメラの設置費用補助を平成30年度から実施しています。

令和8年度からは制度の名称が変わりました。それまで「札幌市安全で安心な公共空間整備促進事業」という名称でしたが、令和8年度から「札幌市地域防犯カメラ設置補助事業」に改められています。

また、財源にも変化がありました。これまでこの事業の財源としていた寄付金が令和7年度でほぼ消費されたため、令和8年度は国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用して実施されています。

制度が続いていること自体はありがたいことですが、財源が変わったということは、今後の継続が保証されているわけではないという見方もできます。設置を検討している団体は、早めに動く方が確実かもしれません。

いくらまで補助されるの?

補助上限額は、防犯カメラ1台あたり10万円です。この範囲内であれば、対象となる費用の全額が補助されます。

上限額を超えた分については、町内会等の負担となります。つまり、1台15万円かかる場合、10万円が補助され、残る5万円が自己負担という計算になります。

なお、この上限額は年度によって変動しています。過去には18万円という時期もありましたので、申請前に必ず当該年度の金額を確認してください。

台数の上限は、単位町内会・自治会1団体につき8台までです。ここで注意すべきなのは、この「8台」が単年度の数字ではなく、平成30年5月1日からの累計であるという点です。すでに過去にこの制度を使って設置している団体は、その分を差し引いた台数しか申請できません。

連合町内会の場合は、所属する単位町内会の数×8台が上限となります。ただし、連合町内会が申請する場合でも、単位町内会・自治会1区域あたりの上限は8台という制限は変わりません。

誰が申請できるの?

対象となるのは、単位町内会、自治会、連合町内会です。

個人や事業者が独自に設置する防犯カメラは対象外となります。自宅の防犯カメラに使いたいというお問い合わせをいただくことがありますが、この制度はあくまで地域が管理する街頭防犯カメラを支援するものです。

何が補助対象になるの?

補助の対象となる経費は、防犯カメラの機器購入費と設置工事にかかる費用、そして防犯カメラの設置を示す表示用設備にかかる費用です。

「防犯カメラ作動中」といった表示板の費用も含まれる点は、覚えておくとよいでしょう。表示板はプライバシーへの配慮として必要なだけでなく、抑止効果を高める役割も果たします。

引用元:https://www.city.sapporo.jp/shimin/chiiki-bohan/camerahojyo/hojyojigyo.html(札幌市「防犯カメラ設置補助金」)

撤去や再取付けにも使えるの?

札幌市の制度で特徴的なのが、撤去・再取付け費用への補助があることです。

平成30年度以降にこの補助金を活用して設置した防犯カメラについて、設置場所の管理者等から撤去や移設の要請があった場合、1台あたり上限10万円(8台まで)の補助を受けられます。

これは実際に起こりうる状況です。電柱の建て替え、建物の所有者の変更、土地の売却——こうした事情でカメラを移設せざるを得なくなることがあります。そのときに費用の補助があるのは、地域にとって心強い仕組みです。

ただし、令和3年度以降に撤去または再取付けをするものに限るという条件があります。

申請の流れで注意すべき点は?

令和8年度は、申請の流れやスケジュールが令和7年度から変更されています。札幌市も「必ず手引きをご一読いただき、期限に余裕をもった手続きを」と案内しています。

過去の年度では、事前エントリーという手続きが設けられていました。申請の前にエントリーが必要で、その期間を過ぎると申請できないという仕組みです。年度によって運用が変わる可能性がありますので、まずは公式ページで手引きを確認することが最優先です。

また、他の自治体と同様に、交付決定の前に工事を始めると補助対象外になります。この点は補助金制度に共通するルールですので、必ず順序を守ってください。

警察との協議や地域での合意形成が求められる点も押さえておきましょう。設置場所の選定にあたっては、警察の意見を聞くことが前提となっている自治体が多く、札幌市もその一つです。

効果的な設置のために考えたいこと

補助金が下りることと、実際に役立つカメラになることは別の話です。

設置の高さと角度は、映像の実用性を大きく左右します。高い位置から真下を向けたカメラでは頭頂部しか映らず、人物の識別ができません。逆光になる位置も避ける必要があります。

夜間の性能も重要です。犯罪の多くは夜間に発生します。赤外線の照射距離が設置場所の広さに足りているか、実際の夜間映像がどう見えるかを、購入前に確認しておくことをおすすめします。

札幌の場合、積雪への対応も考慮すべき点です。カメラ本体やレンズに雪が付着すれば、映像は使えなくなります。庇の下に設置する、雪が吹き付けにくい角度を選ぶ、といった配慮が必要になります。また、低温下での動作保証温度も確認しておきたいポイントです。

夜間撮影の性能については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 夜間撮影に強い防犯カメラの選び方|暗視機能の種類と使い分け

設置角度や高さの考え方については、こちらもご覧ください。 → 防犯カメラを設置したのに「証拠にならなかった」——よくある理由と対策を解説

設置した後のことも考えておく

補助金は設置費用を対象とするもので、その後の維持管理費は基本的に団体の負担になります。

電気料金は継続的に発生します。1台あたりの金額は大きくありませんが、複数台になれば無視できない額です。

点検とメンテナンスも必要です。レンズの汚れ、カメラの向きのずれ、録画の停止——こうした不具合に気づかないまま何年も経過している事例は少なくありません。誰が定期的に確認するのか、役員が交代しても引き継がれる仕組みになっているか。設置前に決めておくことをおすすめします。

録画データの管理も重要な検討事項です。誰が閲覧できるのか、保存期間はどれくらいか、警察から照会があった際の対応をどうするか——これらのルールを文書化しておくことで、後々のトラブルを防げます。

地域内での合意形成をどう進める?

補助金の要件として合意形成が求められることが多いですが、実際に地域の意見をまとめるのは簡単ではありません。

懸念が出るのは自然なことだと理解しておきましょう。「監視されているようで嫌だ」「うちが映るのでは」——こうした意見が出るのは当然です。防犯カメラは便利な設備であると同時に、住民にとっては「自分が撮られる設備」でもあります。

具体的な情報を示すことが説得の基本です。抽象的に「防犯のため」と説明するより、「この通りでひったくりが2件発生している」「この公園で不審者情報が出ている」といった具体的な事実を示す方が、必要性は伝わります。警察に相談して得た情報が、ここで役立ちます。

撮影範囲を明示することも重要です。どこを映すのか、個人宅は映らないのか——図面で示すことで、漠然とした不安は軽減されます。プライバシーマスク機能で特定部分を隠せることも説明しておくとよいでしょう。

運用ルールを提示することで、さらに安心感が高まります。誰が管理するのか、映像を見るにはどんな手続きが必要か、保存期間はどれくらいか——これらが決まっていれば、「勝手に見られるのでは」という懸念に答えられます。

まとめ

札幌市の地域防犯カメラ設置補助事業は、上限額の範囲内で対象費用の全額が補助されるという、負担の少ない制度です。撤去・再取付けへの補助があることも、長期的に見て安心できる点といえます。

一方で、累計8台という台数制限、年度によって変わる申請の流れ、財源の変更——といった注意点もあります。まずは公式ページで手引きを確認し、余裕をもったスケジュールで準備を進めてください。

そして、設置してからが本番です。積雪への対応、定期的な点検、映像の管理体制——こうした運用面まで含めて計画を立てることが、実際に役立つカメラにするための鍵になります。

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