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同じ市内でも補助率が違う?|「重点地区」という考え方と設置場所の選び方

防犯カメラの補助制度を調べていると、「一般地区は3分の2、重点地区は4分の3」といった記載に出会うことがあります。

同じ市内なのに、地区によって補助率が違う——これは、防犯上の必要性が高い地域に手厚く支援するという考え方に基づく設計です。

この記事では、こうした地区区分の仕組みと、それが設置計画にどう影響するかを整理します。なお、制度の内容は自治体によって異なりますので、実際の申請にあたっては必ずお住まいの自治体の公式情報をご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

重点地区とは何か

宇都宮市の防犯カメラ設置費補助金では、一般地区と重点地区で補助率が分かれています。

新設の場合、一般地区は対象経費の3分の2(補助上限220,000円)、重点地区は4分の3(補助上限247,500円)です。更新の場合も、一般地区3分の2(上限170,000円)、重点地区4分の3(上限190,000円)という区分になっています。

重点地区は「不特定多数の人の出入りがある特に防犯対策の強化を図るべき地区」と定義されています。具体的には、JR宇都宮駅東地区と、東武宇都宮駅周辺地区(オリオン通り周辺、本町・泉町周辺)が指定されています。

いずれも駅周辺や繁華街です。人の往来が多く、地域住民以外の出入りも多い場所ということになります。

引用元:https://www.city.utsunomiya.lg.jp/kurashi/anshin/bouhan/1003455.html(宇都宮市「防犯カメラに係る補助制度」)

距離で補助率が変わる仕組みもある

地区の指定とは別の考え方もあります。

堺市の自治会向け制度では、既に設置されている防犯カメラからの距離によって補助率が変わるとされています。既設カメラを中心とした一定範囲内は補助率が低く、その外は高くなるという設計です。

これは、カメラの空白地帯を減らすという意図によるものと考えられます。すでにカメラがある場所の近くに追加するより、まだない地域に設置する方が、市全体としての効果は高まります。

京都市でも、新設する防犯カメラの設置場所は、過去3年度以内に同事業で設置補助した防犯カメラの場所から一定以上離れている必要があるとされています。こちらは補助率ではなく、対象になるかどうかの要件です。

いずれも、限られた予算を市内全域に行き渡らせるための工夫といえます。

自分の地域がどちらか確認する

まず確認すべきは、自分の地域がどの区分に該当するかです。

宇都宮市の場合、重点地区に該当する町名が具体的に列挙されています。市のページで確認できますので、自治会の区域が含まれるかを調べてみてください。

境界にある場合は判断が難しいかもしれません。設置予定場所が重点地区の内側か外側かによって、補助率が変わることになります。担当課に確認するのが確実です。

既設カメラとの距離が要件になる自治体では、市内のどこに補助を受けたカメラがあるかを把握する必要があります。この情報は担当窓口で確認できる可能性があります。

重点地区に指定される理由を考える

なぜ駅周辺や繁華街が重点地区とされるのか。この背景を理解しておくと、設置場所の検討にも役立ちます。

不特定多数の往来が最大の要因です。住宅街であれば、見慣れない人がいれば気づかれます。しかし駅前や繁華街では、誰が地域の人で誰が外部から来た人かの区別がつきません。

匿名性が高いということは、犯行を計画する側にとって都合がよい環境です。顔を覚えられるリスクが低くなります。

深夜の人通りも特徴です。飲食店が多い地区では、深夜まで人がいます。ただし、その時間帯は判断力が低下している人も多く、トラブルが起きやすい環境でもあります。

自治会活動が手薄になりやすいという面もあります。商業地区では住民が少なく、地域の見守りが働きにくい構造があります。

こうした事情から、行政が支援を厚くする合理性があるわけです。

一般地区でも設置の必要性はある

重点地区でないからといって、防犯カメラが不要ということにはなりません。

侵入窃盗は住宅地で起きます。空き巣の被害は、むしろ静かな住宅街で発生することが多いものです。

通学路の安全も住宅地の課題です。子どもの登下校時の安全確保は、地域にとって重要なテーマです。

人通りが途切れる場所は、住宅地にも存在します。街灯が届かない区間、建物の陰になる通路——こうした場所は犯行に適した条件が揃っています。

補助率が3分の2でも、十分に手厚い支援です。「重点地区でないから諦める」のではなく、自分たちの地域に必要な対策を検討することが大切です。

「狙われやすい家」の条件については、こちらの記事も参考になります。 → 「狙われやすい家」には共通点がある——立地・構造・生活習慣から読む侵入リスク

設置場所をどう決めるか

地区の区分とは別に、防犯上の効果という観点からの検討が必要です。

警察への相談が最も有効です。地域のどこで何が起きているかという情報は、自治会が独自に集められるものではありません。所轄の警察署の生活安全課で相談を受け付けています。

実際に歩いてみることも欠かせません。特に夜間、地域を一周してみると、昼間とはまったく違う印象になるはずです。街灯が届かない区間、人通りが途切れるポイント、死角になる場所——現場でしか気づけないことがあります。

住民の声を集めることも参考になります。「あの道が暗くて怖い」という感覚は、実態を反映していることが多いものです。

人の流れが集まる地点を選ぶという考え方もあります。地域への出入り口になっている交差点や、複数の道が合流する場所であれば、少ない台数で多くの動線をカバーできます。

予算配分をどう考えるか

補助率が高い地区に該当する場合、その恩恵を活かす計画を立てられます。

同じ自己負担で多くの台数を設置できるという考え方があります。補助率4分の3であれば、自己負担は4分の1です。3分の2の場合の自己負担3分の1と比べると、同じ予算でより多くのカメラを設置できます。

より高性能な機器を選べるという選択もあります。台数を増やすのではなく、1台あたりの性能を上げるという判断です。解像度の高いモデル、夜間性能に優れたモデル——用途に応じて検討する価値があります。

ただし、補助上限額には注意が必要です。宇都宮市の場合、重点地区でも1台あたり247,500円が上限です。それを超える部分は自己負担になります。

機種選定のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 補助金で設置する防犯カメラ、どんな仕様を選ぶべき?|要件を満たしつつ実用性を確保する

商業地区での設置の注意点

重点地区が商業エリアである場合、住宅地とは異なる配慮が必要になります。

照明条件が複雑です。看板の照明、店舗の窓明かり、街灯——強い光源が多い環境では、逆光で人物が黒く潰れることがあります。逆光補正機能を備えた製品を選ぶ、設置角度を工夫するといった対応が求められます。

閉店後の暗さも考慮すべきです。営業中は明るくても、シャッターが下りれば急に暗くなります。夜間撮影性能の確認は必須です。

人が密集する時間帯では、一人ひとりの識別が難しくなります。何を記録したいのかを明確にしたうえで、画角と解像度を決めることが重要です。

店舗との合意形成も必要です。商業地区では、店舗の入口が撮影範囲に入ることがあります。事前の説明を丁寧に行っておきましょう。

商店街での設置については、こちらの記事も参考になります。 → 商店街で防犯カメラを設置したい|補助金が使える自治体と、使えない場合の選択肢

まとめ

同じ市内でも、地区によって補助率が異なる制度があります。宇都宮市では、駅周辺や繁華街が「重点地区」として指定され、補助率が4分の3に引き上げられています。

まずは、自分の地域がどの区分に該当するかを確認してみてください。境界にある場合は、担当課に問い合わせるのが確実です。

そして、補助率の違いは制度の設計であり、防犯上の必要性とは別の話です。一般地区であっても、住宅地には住宅地なりの課題があります。

大切なのは、実際に地域を歩き、警察に相談し、どこに何が必要かを判断することです。

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