ワイズセキュリティの防犯ブログをご覧いただきありがとうございます。今回は防犯カメラを設置工事する際に気を付けるべき点を解説いたします。防犯カメラは精密機器になりますので水濡れや配線の水没であったり、空き巣の犯人にケーブルを切られてしまったりすると、せっかく防犯カメラを設置しても意味がありません。そのようなことにならないための記事になれば幸いです。
防犯カメラ工事の注意点
配線距離に気を付ける
カメラ工事の際にカメラとレコーダーの距離、電源までの距離に注意しましょう。防犯カメラはシステムによって配線距離が異なります。以前防犯カメラの種類についての記事でもご紹介しましたが、有線式のケーブルは主に2種類あります。
同軸ケーブルで配線するシステムはAHDシステムと呼ばれていますが、配線距離は5C-2V同軸ケーブルで350メートルまで配線することが可能です。
対してLANケーブルを利用したネットワークカメラは100メートルまでしか配線できません。ハブを使えば延長することも可能ですが、電源をとる必要がありますのであまりおすすめできません。100メートル以上の配線の場合は同軸ケーブルを使った防犯カメラをおすすめします。
無線式の場合、距離はもっと短くなります。メーカーHPなどでは見通し150メートルなど書いてありますが、基本的に壁が1枚あるだけで電波は減衰しますのでいいところで木造建築の家で15mくらいが電波到達距離です。
さらにカメラ電波は2.4GHz帯を使用しますのでWifiや電子レンジなどの生活電波の影響を受けやすいため、コマ落ちなど発生する可能性が高まります。
セキュリティを強化する意味では有線式のカメラの方がおすすめです。
電源のとる方法を考える
次に電源の取り方を考えます。基本的に防犯カメラは映像伝送と一緒に電源を取る必要があります。電源はACアダプターで取る方法と映像と一緒のケーブルで取る方法の2種類あります。
同軸ケーブルで電源をとる
同軸ケーブルに電源をのせて伝送する場合、防犯カメラの他に電源重畳ユニットと呼ばれる機器が必要になります。この電源重畳ユニットははレコーダーと同じ場所に設置してカメラとレコーダーの間に設置します。
LANケーブルで電源をとる
LANケーブルに電源をのせて送る方法をPoE給電と呼びます。こちらはカメラの映像も電源もLANケーブル一本でできます。とても簡単ではありますがPoEハブが必要になりますのでこちらも注意が必要です。
ACアダプターで電源をとる
これはACアダプターを利用して電源をとる方法です。カメラの近くに100Vコンセントを用意するか、ACアダプターの電源線を延長してカメラまで配線します。
ACアダプターを延長する場合は2芯のAE線などで延長することが可能ですが、結線用の工具と専門知識が必要になるのでご注意ください。いずれにせよACアダプターで電源を取る場合は専門の工事業者に依頼するようにしましょう。
レコーダーで電源をとる
機器によってはレコーダーで電源をとることができます。PoE内蔵のNVR(ネットワークビデオレコーダー)や電源重畳ユニット内蔵のDVRを購入すればレコーダーから電源をとることが可能です。
レコーダーに電源が内蔵されている機種は通常のレコーダーより高額になりますが、配線工事が一本で済むので施工が楽になります。
配線は基本的に隠す
防犯カメラは犯罪を防ぐために設置する機器です。そのため犯人も防犯カメラが設置されている場合、それを破壊しようと考えています。泥棒に入られた際にレコーダーを一緒に盗難にあったお客様もいらっしゃいました。カメラ以外のレコーダーやモニターは犯人の目が届かない場所に隠すようにしましょう。
配線工事においても配線を切られてしまう可能性がありますので基本的には隠蔽配線になります。屋内で天井裏、床下、OAフロアを使って配線します。また屋外においてはモール配線やPF菅などを利用して配線を切断されないような工夫をする必要があります。
屋外に設置する際はケーブルやコネクターなどが雨に濡れないように注意する必要があります。防犯カメラ自体が屋外用のカメラを購入したとしてもコネクターは防水仕様でなかったりしますので、しっかりと防水ジャンクションBOXを用意して雨から濡れることを防ぐ必要があります。
ケーブル接続部分は防水処理が必要
映像ケーブルの接続部分やACアダプターのコネクタ部分は防水処理が必要です。防犯カメラの後ろ側にケーブルがでているのでこのケーブルを収納する必要があります。この部分が雨に濡れてしまうとショートして発火したりする可能性もありますので必ず防水処理をしましょう。
ビニールテープや自己融着テープを使う方法もありますが、経年劣化で水濡れする可能性がありますので防水ジャンクションボックスをおすすめします。最近は防犯カメラ用のジャンクションボックスも登場しました。
防犯カメラとレコーダーの設置する位置に注意する
防犯カメラを設置する位置にも注意が必要です。高すぎても頭の上から見下ろすような画角になり、低すぎてもいたずらされたりするなど問題があります。防犯カメラを設置する位置は3m前後の高さになるのが理想的と言われています。
またレコーダーなどもすぐに見つかる場所だと侵入者が気付いて持ち去ったり破壊したりする恐れがありますので、見えないところに隠すなどの工夫が必要になります。
店舗に設置すると悪質な従業員が壊してしまったりするので、天井裏に隠して欲しいとお願いされたりしたこともあります。レコーダーにはハードディスクが搭載されています。ハードディスクは熱に弱いという特性を持っていますので天井裏に設置する際は風が通る場所に設置するようにしましょう。
不具合が起きた時の原因追及
防犯カメラの工事をしっかりとしていないと、機器の不具合なのか、配線工事に問題があるのか分からないといったことが起こる可能性があります。
例えばカメラ4台設置したが半年後にカメラ1台が映らなくなったとします。まず考えるのがカメラの故障を考えますが、もしかしたら工事不良による接触不良が起きていたり、防水ジャンクションボックスに水が入ってしまい故障しているかもしれません。
屋内に設置しているカメラですらネズミに線をかじられて映像が見えなくなったなんてこともありますので、事前にしっかりと工事して工事ミスによる不具合を減らすことが大切になります。
配線工事業者の選び方
配線工事業者を選ぶときにも注意が必要です。正直ケーブルの配線ならエアコン工事業者でもできますが、防犯性を考慮した配線であったり不具合があった時の切り分けがしやすいような配線をするには経験を積んだ防犯のプロに依頼した方が後々に楽になります。
同軸ケーブル一つにおいてもチェッカーをつかわなかったり、導通チェックをせずに工事する業者はたくさんいますので、ご注意ください。
せっかく購入した防犯カメラで後悔しないために
防犯カメラを購入しても適当に工事してしまうとケーブルコネクターが雨に濡れて壊れてしまったり、壊されてしまう可能性もあります。そのようなことにならないためにも、設置位置、配線方法などを事前にチェックしてから工事するようにしましょう。また建物に傷などを心配されていう方は専門の工事業者に依頼するようにしましょう。