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広島市の地域防犯カメラ設置補助制度|補助率4分の3・各団体10台までの制度を解説

広島市では、地域の自主的な防犯活動を補完し、犯罪の起こりにくい安全なまちづくりを支援するため、町内会などが設置する防犯カメラの費用の一部を補助しています。

補助率は4分の3以内と手厚く、1団体あたり10台まで申請できるという内容です。台数の上限が比較的多いため、地域全体をカバーする計画を立てやすい制度といえます。

この記事では、制度の内容と申請の流れを整理します。なお、内容や受付期間は年度によって変わりますので、実際に申請される際は必ず広島市の公式ページか区役所でご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

どんな団体が対象になるの?

対象となるのは、防犯活動を行っている町内会・自治会、連合町内会、防犯組合、防犯組合連合会、地区(学区)社会福祉協議会です。

防犯活動を行っていることが前提となっている点に注意してください。単に地域団体であればよいというわけではなく、日頃からパトロールなどの取り組みをしている団体が対象になります。

さらに、申請希望のあった団体の中から、防犯活動や犯罪情勢等を考慮したうえで補助対象団体が決定されるという仕組みです。申請すれば必ず通るわけではありません。

補助対象団体の選定にあたっては、その地域でどのような犯罪が発生しているか、団体がどのような防犯活動を行っているかが判断材料になります。日頃の活動実績が申請の説得力につながるということです。

いくら補助されるの?

補助率は補助対象経費の4分の3以内(千円未満切り捨て)です。

補助対象となるのは、防犯カメラの機器購入および設置工事にかかる経費と、防犯カメラの設置を示す看板設置にかかる経費です。一方、機器の保守点検や電気料金等の維持管理経費は補助対象外とされています。

台数は各団体10台までとされています。他の政令指定都市と比べると多めの設定で、地域全体を面でカバーする計画が立てられます。

ただし、市全体の補助台数にも枠が設けられており、予算の範囲内での補助となります。希望通りの台数が認められない可能性もありますので、優先順位をつけた計画にしておくとよいでしょう。

引用元:https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/44/238413.html(広島市「地域防犯カメラ設置補助制度のご案内」)

申請の流れはどうなっている?

広島市の制度で特徴的なのが、事前協議という段階があることです。

まず、事前協議申請書を各区の地域おこし推進課に提出します。この申請は市民局市民安全推進課で受理され、審査が行われます。その後、市から補助金額の内示が行われ、それを受けて補助金交付申請書を提出するという流れです。

交付決定通知が届いた後に設置工事を行い、完了後に実績報告書兼精算書を提出します。余剰金が発生した場合は返還が必要です。

この二段階の手続きがあるため、申請から設置完了まで相当な期間を要します。事前協議の締切は年度の前半に設定されることが多いため、年度が始まる前から準備しておくことが重要です。

年度内完了が必須という条件

広島市の制度で特に注意すべきなのが、設置と精算を年度内(3月末まで)に完了させる必要があるという点です。

翌年度に繰り越すと補助の対象となりません。完了できない場合、交付された補助金を返金することになります。

これは実務上、かなり厳しい条件です。工事業者のスケジュール、部材の納期、天候による工事の遅延——こうした要因で年度末に間に合わなくなるリスクがあります。

対策としては、交付決定後できるだけ早く工事を発注すること、業者に年度内完了が必須である旨を明確に伝えておくこと、余裕をもったスケジュールを組むことが挙げられます。年明けに工事を始めるような計画は避けた方が安全でしょう。

カメラの仕様に要件がある

補助対象となるのは、道路、公園等の公共空間を撮影対象とする防犯カメラです。加えて、有効画素数や録画可能時間等について一定の要件を満たす必要があるとされています。

具体的な数値は募集要項で確認する必要がありますが、この点は重要なポイントです。安価な製品を選んで要件を満たさなければ、補助を受けられません。

要件を確認したうえで、それを満たす製品を選定することが前提になります。見積もりを依頼する際は、業者に補助金の要件を伝え、対応可能な製品を提案してもらうとよいでしょう。

録画可能時間については、保存期間の設計にも関わります。被害に気づくまでに時間がかかるケースを考えると、一定の期間が保持される仕様であることは実務的にも意味があります。

録画方式と保存期間の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → クラウド録画とローカル録画、どちらを選ぶべきか|違いと向き不向きを整理

設置後の報告義務

広島市の制度では、設置後に毎年「管理運用状況報告書」を提出する必要があるとされています。

これは、補助金を使って設置したカメラが適切に管理・運用されているかを確認するための仕組みです。設置して終わりではなく、継続的な管理が求められているということです。

この報告義務があることは、むしろ運用の質を保つうえで有効かもしれません。毎年報告書を作成する必要があれば、カメラの状態を確認する機会が確保されます。「設置してから一度も映像を見ていない」という事態を防げます。

報告のタイミングで、次のような点を確認しておくとよいでしょう。映像が正常に記録されているか。カメラの向きがずれていないか。夜間の映像は識別できる状態か。管理責任者は明確になっているか。

点検の具体的な方法については、こちらの記事も参考になります。 → 防犯カメラは「つけたら終わり」じゃない|設置後に必要なメンテナンスと点検の話

10台をどう配置する?

比較的多くの台数を申請できる制度ですが、その分、配置の設計が重要になります。

面としてカバーするという考え方があります。地域への出入り口となる地点に設置することで、外部から入ってくる人物の記録を残せます。複数の経路がある地域では、それぞれの入口を押さえることが効果的です。

線としてつなぐ発想も有効です。主要な通りに沿って一定間隔で設置すれば、人物の移動経路を追跡できる可能性が高まります。地域内のカメラがつながることで、個々のカメラの価値が高まります。

重点箇所を厚くするという選択もあります。被害が集中している場所や、死角が多い場所については、複数の角度から撮影することで確実性が増します。

いずれにせよ、警察に相談して地域の犯罪発生状況を把握したうえで判断することをおすすめします。

地域のカメラがつながることの意味については、こちらの記事でも触れています。 → あなたの家のカメラが事件を解決するかもしれない|リレー捜査と地域防犯の話

まとめ

広島市の地域防犯カメラ設置補助制度は、補助率4分の3以内、各団体10台までという内容です。台数の上限が多いため、地域全体をカバーする計画が立てられる点が魅力といえます。

一方で、事前協議という段階があること、年度内完了が必須であること、カメラの仕様に要件があること、毎年の報告義務があること——といった条件があります。いずれも計画的な準備が必要な要素です。

募集期間は概ね年度前半に設定されることが多いようです。今年度の募集に間に合わない場合でも、来年度に向けて準備を進めておくことをおすすめします。

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