防犯カメラの補助制度は全国の自治体で実施されていますが、補助率という点では岡山県・岡山市の制度が際立っています。
補助対象経費の10分の9以内——つまり、自己負担が原則1割で済むという設計です。しかも令和8年度からは、設置後の維持管理費についても補助が始まりました。
この記事では、岡山市の防犯カメラ設置支援事業について、制度の内容と注意点を整理します。なお、内容や受付期間は年度によって変わりますので、実際に申請される際は必ず岡山市の公式ページか担当窓口でご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。
どんな団体が対象になるの?
対象となるのは、町内会や自治会などの住民団体です。
企業、商工団体、事務所、個人、店舗、PTA等は対象外とされています。他の自治体でも個人は対象外というのが一般的ですが、岡山市ではPTAや商店街も明確に除外されている点が特徴です。
あくまで地域住民で構成される団体が主体となって設置することが前提の制度といえます。
補助率10分の9はどういうこと?
補助額は、補助対象経費の10分の9以内、1台あたり上限30万円です(県の補助を含む)。
これは、県の補助と市の補助を合わせた数字とされています。都道府県が市町村の制度に上乗せする形の支援を行っている例のひとつです。
仮に1台の設置に30万円かかった場合、27万円が補助され、自己負担は3万円という計算になります。他の自治体の補助率が2分の1から4分の3程度であることを考えると、かなり手厚い設計です。
台数は令和7年度と合わせて1団体3台までとされています。単年度ではなく、複数年度を通算した上限である点に注意が必要です。すでに前年度に補助を受けている団体は、その分を差し引いた台数しか申請できません。
引用元:https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000021152.html(岡山市「防犯カメラについて」)
何が補助対象になるの?
補助対象となるのは、新規で設置する防犯カメラの購入費と設置工事等に要する経費です。
電気代や保守点検費用などの維持管理経費は、設置補助の対象外です。ただし、この点については後述する維持管理費補助が新設されています。
更新(買い替え)は対象外とされている点は重要です。老朽化したカメラの入れ替えには、この制度は使えません。新規設置に限定された制度ということになります。
すでに設置しているカメラが更新時期を迎えている団体は、別の財源を検討する必要があります。カメラの耐用年数はおよそ5〜8年とされていますので、設置から年数が経っている場合は、更新費用の積立を考えておくとよいでしょう。
点検や更新の判断については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラは「つけたら終わり」じゃない|設置後に必要なメンテナンスと点検の話
維持管理費の補助が始まった
令和8年度から、市の補助を受けて設置された防犯カメラの維持管理費についての補助が新たに始まりました。
「岡山市防犯カメラ維持管理費及び防犯灯電気代補助金」という制度で、防犯灯の電気代補助と一体の枠組みになっています。
設置費用の補助はあっても、その後のランニングコストは団体負担というのが多くの自治体の設計です。電気料金は継続的に発生し、台数が増えれば無視できない額になります。この負担が軽減されることは、地域にとって実務的な意味が大きいといえます。
対象となるのは、市の補助を受けて設置された防犯カメラとされています。自主財源で設置したカメラが対象になるかどうかは、要綱で確認が必要です。
岡山市では、この制度についてQ&A形式の資料も公開されています。申請前に目を通しておくと、疑問点が解消されるかもしれません。
どんなカメラが対象になるの?
補助対象となるのは、地域における犯罪防止を目的として、不特定多数の者が利用する道路、公園等を撮影するものです。
個人宅や特定の施設だけを映すためには使えません。あくまで公共空間の防犯が目的の制度です。
また、県が策定した「防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」に沿った運用・管理が必要とされています。申請前に、このガイドラインを確認しておくことをおすすめします。
ガイドラインでは一般に、プライバシーへの配慮、管理責任者の選任、映像の取り扱いルール、設置の表示——といった事項が定められています。これらを踏まえた管理規程を作成しておくと、申請もスムーズに進みます。
3台という制限をどう活かす?
令和7年度と合わせて3台という上限がある以上、設置場所の選定は慎重に行う必要があります。
警察への相談が最も有効です。地域のどこで何が起きているかという情報は、自治会が独自に集められるものではありません。所轄の警察署の生活安全課で相談を受け付けています。
人の流れが集まる地点を選ぶという考え方もあります。地域への出入り口になっている交差点や、複数の道が合流する場所であれば、少ない台数で多くの動線をカバーできます。
通学路や公園は、優先度の高い設置場所として挙げられることが多い場所です。子どもの安全という観点から、地域内の合意も得やすい傾向があります。
死角になりやすい場所も検討対象です。街灯が届かない区間、人通りが途切れる場所——こうした場所は犯行に適した条件が揃っています。
実際に夜間、地域を歩いてみることをおすすめします。昼間とはまったく違う印象になるはずです。
設置角度で効果が変わる
補助金の要件を満たすことと、実際に役立つカメラになることは別の話です。
高さと角度は、映像の実用性を大きく左右します。高い位置から真下を向けたカメラでは頭頂部しか映らず、人物の識別ができません。逆光になる位置も避ける必要があります。
距離と画角の関係も重要です。広い範囲を映そうとすれば、一人ひとりの映り方は小さくなります。何を記録したいのかを明確にしたうえで、レンズと設置位置を決める必要があります。
夜間の見え方は必ず確認してください。犯罪の多くは夜間に発生します。赤外線の照射距離が設置場所の広さに足りているか、実際の夜間映像がどう見えるかを、施工業者に確認しておきましょう。
設置角度と画質の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラを設置したのに「証拠にならなかった」——よくある理由と対策を解説
申請の流れで注意すべき点
岡山市では、申請の手引きが公開されています。要綱や申請要項を確認したうえで、申請書と添付書類を提出する流れです。
交付決定前に工事を始めないことは、補助金制度に共通する原則です。「先に設置してから申請する」という進め方はできません。
予算に限りがあることも共通です。申請すれば必ず通るとは限りません。
**準備には時間がかかります。**見積もりの取得、設置場所の検討、地域内の合意形成、管理規程の作成——これらを揃えるには数か月を要すると考えておくべきでしょう。
申請書類の準備については、こちらの記事も参考になります。 → 防犯カメラ補助金の申請書類、何をどう揃える?|自治会役員のための準備ガイド
まとめ
岡山市の防犯カメラ設置支援事業は、補助率10分の9以内・1台あたり上限30万円という、全国的にも手厚い制度です。令和8年度からは維持管理費の補助も加わり、設置後のランニングコストの負担も軽減されるようになりました。
一方で、令和7年度と合わせて1団体3台までという上限があり、更新(買い替え)は対象外です。限られた台数をどこに配置するか、そして将来の更新費用をどう確保するか——この2点は、申請の段階から考えておくべきポイントです。
設置場所の選定にあたっては、警察への相談を含め、地域の実情をふまえた検討をおすすめします。
ワイズセキュリティでは、防犯カメラのオンラインストアを開設しています。最新スペックの防犯カメラを順次ラインナップしており、全製品1年保証付きです。設置場所や用途に合ったカメラ選びについてのご相談も承っていますので、お気軽にどうぞ。
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