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防犯カメラより先に防犯灯という選択も|補助制度が充実している「照明」の力

地域の防犯対策を考えるとき、真っ先に防犯カメラが候補に挙がることが多いと思います。

ただ、もうひとつ検討する価値があるのが**防犯灯(街路灯)**です。そして意外に知られていないのが、防犯灯の補助制度は防犯カメラより充実している自治体が多いという事実です。

この記事では、防犯灯の補助制度と、カメラとの使い分けについて整理します。なお、制度の内容は自治体によって異なりますので、実際の申請にあたっては必ずお住まいの自治体の公式情報をご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

防犯灯の補助は手厚い自治体が多い

いくつかの実例を見てみましょう。

松山市では、町内会・自治会等が設置する防犯灯について助成制度があります。設置する防犯灯は10W以下のLED器具とされ、随時受付が行われています。年度内に実施できるのは12月28日受付分までという運用です。

高松市では、防犯灯の新設、取り替え、修繕、管球の交換について市が全額費用負担しています。さらに、自治会に加入している防犯灯に限り、電気料金も市が負担するとされています。

那覇市では、保安灯(街路灯)について複数の制度があります。設置等補助事業、電気料補助事業、LED化推進事業——という3本立てです。

名古屋市にも、町内会・自治会等が維持管理している防犯灯・防犯カメラの電気料金を助成する制度があります。

防犯カメラの補助が「補助率2分の1・上限10万円」といった水準であることを考えると、防犯灯への支援はかなり手厚いといえます。

引用元:https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/bosai/bohan/bouhanntou.html(松山市「防犯灯の助成制度」)

なぜ防犯灯は支援が手厚いのか

理由はいくつか考えられます。

歴史が長いことが挙げられます。防犯灯の整備は古くから行われてきた地域の取り組みであり、制度も長年にわたって整えられてきました。

プライバシーの問題が生じないという点も大きいでしょう。防犯カメラは撮影という行為が伴うため、慎重な運用が求められます。照明にはその問題がありません。

効果が明確であることも理由かもしれません。暗い場所を明るくすることの効果は、直感的に理解しやすいものです。

維持管理の負担が地域に生じるという事情もあります。電気料金は毎月発生します。この負担を軽減しなければ、地域が設置に踏み切れないという実態があります。

照明の防犯効果

防犯灯には、実際にどのような効果があるのでしょうか。

視認性の向上が最も直接的な効果です。暗い場所では、人の顔も、足元の段差も見えません。明るくすることで、通行する人自身が危険を察知できるようになります。

人の目が働く環境になるという効果もあります。明るい場所では、周囲から見られる可能性が高まります。犯行を計画する側にとって、これは大きなリスクです。

心理的な安心感も無視できません。同じ道でも、明るければ安心して歩けます。地域の生活の質に直接関わる要素です。

防犯カメラの映像品質も向上します。夜間の映像は、周囲の明るさに大きく左右されます。赤外線暗視では白黒になりますが、ある程度の照度があればカラーで記録できます。服の色や車の色といった情報は、証拠としての価値を高めます。

夜間撮影の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 夜間撮影に強い防犯カメラの選び方|暗視機能の種類と使い分け

カメラと照明、どちらを優先すべきか

限られた予算のなかで、どちらを先に整備すべきか。判断の目安を整理します。

暗い場所が明確にある場合は照明を優先するのが合理的です。「この区間は街灯が届かない」「夜になると足元も見えない」——こうした場所があるなら、まず照明を整備することで、リスクそのものを下げられます。

補助制度の手厚さも判断材料になります。高松市のように市が全額負担する制度があるなら、地域の持ち出しなしで整備できます。カメラの補助率が2分の1であることを考えると、費用対効果は明らかです。

記録が必要な場所はカメラです。被害が実際に発生している場所、証拠を残したい場所——ここは照明だけでは対応できません。

両方が必要な場所もあります。人通りが途切れる暗い区間で、実際に被害も出ている——という場所であれば、照明とカメラの両方を整備する価値があります。

組み合わせて考える

那覇市のように防犯灯と防犯カメラが同じ制度で運用されている自治体は、この組み合わせを前提とした設計といえます。

同じ場所に両方設置するという考え方があります。照明で明るくし、カメラで記録する。この組み合わせは、抑止と証拠保全の両面で効果を発揮します。

役割を分けて配置するという方法もあります。地域全体は照明でカバーし、重点箇所にカメラを設置する——という設計です。予算配分としても現実的でしょう。

段階的に整備する進め方も有効です。まず照明を整備し、それでも問題が続く場所にカメラを追加する。効果を確認しながら進められます。

センサーライトという選択肢

自治会レベルの防犯灯とは別に、個人宅ではセンサーライトという選択肢があります。

人が近づくと自動的に点灯するライトです。常時点灯ではないため電気代を抑えられ、突然明るくなることによる心理的な効果も期待できます。

ソーラー式であれば配線工事も不要です。電源が取れない場所にも設置でき、比較的手軽に導入できます。

東京都の防犯機器等購入緊急補助事業では、区市町村によってセンサーライトも対象品目に含まれています。個人宅向けの制度で、照明が対象になるケースがあるということです。

住まいの防犯対策の基本については、こちらの記事も参考になります。 → 今日からできる家の防犯対策|鍵・窓・センサーライトまで基本をまとめました

防犯灯の維持管理

設置後の運用についても触れておきます。

電気料金は継続的に発生します。多くの自治体で補助制度がありますが、地域の負担がゼロとは限りません。松山市の案内では「町内会・自治会等が設置及び電気料金負担などの維持管理をしていただくことが前提」とされています。

修繕・管球の交換も必要になります。LED化により交換頻度は下がりましたが、いずれ寿命は来ます。高松市のように市が全額負担する自治体もあれば、地域負担となる自治体もあります。

移設・撤去については、注意が必要です。松山市では「設置後の苦情や撤去、他の場所への移設などは、申請者(町内会等)で対応していただきます。なお、撤去などにかかる費用は町内会・自治会等の負担です」と明記されています。

設置場所を決める際は、この点も考慮しておくべきでしょう。

まずは地域を歩いてみる

照明もカメラも、まずは現状を把握することから始まります。

夜間に地域を歩いてみることをおすすめします。昼間の印象とはまったく違うはずです。街灯が届かない区間、建物の陰になる場所、人通りが途切れるポイント——実際に歩かなければわかりません。

住民の声を集めることも参考になります。「あの道が暗くて怖い」という感覚は、実態を反映していることが多いものです。

警察に相談することも有効です。地域のどこで何が起きているかという情報は、対策の優先順位を決める根拠になります。

こうした確認を経て、「ここは照明」「ここはカメラ」という判断ができるようになります。

まとめ

防犯対策としてカメラを検討する前に、防犯灯という選択肢も併せて考えてみる価値があります。

補助制度の手厚さでいえば、防犯灯の方が充実している自治体が多くあります。高松市のように市が全額負担する例、那覇市のように電気料金まで補助する例——地域の負担を抑えて整備できる可能性があります。

そして、照明はカメラの映像品質も向上させます。両者は競合するものではなく、補完し合う関係です。

まずは夜間に地域を歩き、どこに何が必要かを確認するところから始めてみてください。

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