防犯ブログ

名古屋市の防犯カメラ補助金を使うには|街頭犯罪抑止環境整備事業補助金の要点【令和8年度】

「町内に防犯カメラを付けたいけれど、予算がない」——地域の役員をされている方から、そんな相談をいただくことがあります。

街頭に防犯カメラを設置するとなると、カメラ本体だけでなく、ポールの建設や配線工事も必要になります。町内会の会費でまかなうには、決して小さくない金額です。

名古屋市では、こうした地域団体の設置を支援する「街頭犯罪抑止環境整備事業補助金」という制度があります。新規設置だけでなく、更新や修繕も対象になるのが特徴です。この記事では、制度の内容と申請時の注意点を整理します。

なお、制度の内容や受付期間は年度によって変わります。実際に申請される際は、必ず名古屋市の公式ページか区役所の担当窓口で最新の情報をご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

どんな団体が対象になるの?

対象となるのは、学区連絡協議会や町内会などの地域団体です。

ただし、名古屋市の制度には他の自治体と違う特徴があります。日頃からパトロールなどの防犯活動を行っている団体であることが条件になっている点です。

さらに、申請があった団体の中から、街頭犯罪の認知件数や犯罪率といった地域の犯罪情勢、そして防犯活動への取り組み状況を考慮したうえで、補助対象となる団体が決定されます。つまり、申請すれば必ず通るという制度ではありません。

「カメラを付けたいから申請する」というより、「日頃から防犯活動をしている団体が、その活動を補強するために使う」という位置づけの制度だと理解しておくとよいでしょう。

いくら補助されるの?

補助率は3分の2以内で、限度額は防犯カメラ1台につき14万円です。

台数の上限は、学区連絡協議会が10台、その他の団体が5台となっています。ただし、これとは別に累計の上限も設定されており、平成25年度以降の設置台数として、学区連絡協議会は累計30台、その他の団体は累計15台までとされています。

すでに何台か設置している団体は、累計台数を確認したうえで計画を立てる必要があります。

何が補助対象になるの?

補助の対象となるのは、防犯カメラの新規設置にかかる機器購入費、工事費、そして「防犯カメラ作動中」といった表示板の製作費です。表示板は、防犯カメラ1台につき10枚までとされています。

一方、月額の保守費や維持管理費は対象外です。設置後のランニングコストは団体の負担になりますので、予算計画を立てる際は注意してください。

なお、名古屋市には防犯カメラの電気料金を助成する別の制度があります。町内会・自治会等が維持管理している防犯灯・防犯カメラの電気料金の一部を助成するもので、こちらは設置補助とは別に申請できます。詳細は区役所の地域力推進課に確認してみてください。

申請の流れはどうなっているの?

申請から補助金を受け取るまでの流れは、おおむね次のようになります。

まず申請書類を提出し、交付決定の通知を受けます。その後に設置工事を行い、実績報告書を翌年3月末までに提出。補助金の交付は翌年5月末までに行われます。

ここで最も重要なのが、交付決定の前に工事を始めてはいけないという点です。名古屋市の案内でも「補助金交付決定以前に工事に着手したものは補助の対象となりません」と明記されています。

「先に付けてしまってから申請しよう」という進め方はできません。必ず申請、交付決定、そして工事という順序を守ってください。

引用元:https://www.city.nagoya.jp/bousai/anzen/1014448/1014449/1034528/1014452.html(名古屋市「防犯カメラの新規設置・更新・修繕費用の一部を助成します!」)

名古屋市ならではの注意点は?

他の自治体と比べて、名古屋市の制度には押さえておくべき独自の要件があります。

総会などでの承認が必要という点が、まず挙げられます。防犯カメラの設置が団体の総意であることを確認するため、交付申請の際に提出する事業計画書に、設置を可決承認した会議名と開催日を記入する必要があります。

この会議は、総会など団体の総意が取れる場でなければなりません。一部の役員のみで構成される会議では認められないとされています。書面による確認でも対応可能とのことですが、いずれにせよ地域内の合意形成が前提になります。

申請の準備を始める段階で、いつの総会で議題にするかを逆算しておく必要があります。

撮影対象が公共空間に限られる点も重要です。公道、または公道に面した公園などの公共空間を撮影するものが対象とされています。特定の個人宅や施設だけを映すためには使えません。

セキュリティ対策への言及があることも、名古屋市の制度の特徴です。特にインターネットに接続する防犯カメラについて、パスワードを未設定または初期設定のまま運用しないこと、推測されにくいパスワードを設定・更新すること、不正アクセスを防ぐためにプログラムを最新の状態に保つことが求められています。

ネットワークカメラのセキュリティリスクについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラを無力化するハッキング・ジャミング・なりすまし|脅威の実態と具体的な対策を解説

更新・修繕も対象になるって本当?

名古屋市の制度が便利なのは、新規設置だけでなく更新や修繕にも使える点です。

防犯カメラの耐用年数はおよそ5〜8年とされており、いずれ交換の時期が来ます。平成25年度から制度が続いていることを考えると、初期に設置したカメラはすでに更新時期を迎えているはずです。

「映像が見えなくなった」「夜間が真っ暗で何も映らない」——こうした状態のカメラを放置している地域は、更新補助の活用を検討してみてください。設置してあるだけで機能していないカメラは、抑止効果も記録機能も失われています。

カメラの寿命や点検の目安については、こちらの記事も参考になります。 → 防犯カメラは「つけたら終わり」じゃない|設置後に必要なメンテナンスと点検の話

設置場所はどう決めればいい?

補助金の要件を満たすことと、実際に役立つカメラを設置することは、別の話です。

名古屋市の制度では、防犯カメラの設置及び利用に関するガイドラインが定められています。プライバシーへの配慮、管理責任者の選任、映像の取り扱いルール——こうした運用面の整備も求められます。

設置場所については、地域の犯罪発生状況を把握している警察署に相談することをおすすめします。どこで何が起きているかという情報は、効果的な配置を考えるうえで欠かせません。

また、実際に映像が使えるものになるかどうかは、設置の高さと角度に大きく左右されます。「設置したのに顔が識別できなかった」という事態を避けるためにも、施工業者と具体的に詰めておくことが重要です。

防犯カメラを設置したのに「証拠にならなかった」——よくある理由と対策を解説

見積もりはどう取ればいい?

補助金申請では、費用の妥当性を示すために見積書が必要になります。

複数社から取ることが基本です。自治体によっては3社以上を要件としているところもあります。名古屋市の要件は募集要項で確認いただくとして、いずれにせよ1社だけの見積もりで進めるのは避けた方がよいでしょう。金額の妥当性が判断できませんし、提案内容を比較することもできません。

条件を揃えて依頼することが重要です。台数、解像度、録画方式、保存期間——これらがバラバラの見積もりを金額だけで比較しても意味がありません。あらかじめ仕様を整理して各社に伝えることで、正確な比較ができます。

現地調査をしてもらうことをおすすめします。図面だけで見積もりを出す業者より、実際に現場を見て配線ルートや設置位置を検討する業者の方が、実態に即した提案が期待できます。追加費用の発生も防げます。

内訳を確認することも大切です。「一式」でまとめられた見積もりでは、何にいくらかかっているのか判断できません。機器代、工事費、部材費が分けて記載されているかを見てください。

見積もり取得には時間がかかります。問い合わせ、現地調査、書類作成——これらを考えると、申請締切の数か月前から動き始める必要があります。

問い合わせ先はどこ?

制度についての問い合わせ先は、名古屋市スポーツ市民局 市民生活部 地域安全推進課です。電話番号は052-972-3124となっています。

各区役所の地域力推進課でも相談を受け付けています。地域の実情に即した相談をしたい場合は、まず区役所に問い合わせてみるとよいでしょう。

まとめ

名古屋市の街頭犯罪抑止環境整備事業補助金は、補助率3分の2、1台につき14万円を上限とする制度です。新規設置だけでなく更新・修繕にも使える点が、長く続いている制度ならではの特徴といえます。

一方で、日頃から防犯活動を行っている団体が対象であること、総会などでの承認が必要であること、犯罪情勢を考慮して対象団体が決定されること——といった要件があります。申請を思い立ってすぐ出せる制度ではありませんので、余裕をもった準備が必要です。

そして、補助金が下りることと、実際に役立つカメラになることは別問題です。どこに、どの角度で設置するのか。この点は、警察や専門業者の意見を聞きながら慎重に検討することをおすすめします。

ワイズセキュリティでは、防犯カメラのオンラインストアを開設しています。最新スペックの防犯カメラを順次ラインナップしており、全製品1年保証付きです。設置場所や用途に合ったカメラ選びについてのご相談も承っていますので、お気軽にどうぞ。

https://wizsecurity.jp/shop