那覇市では、自治会等が設置する防犯カメラに対して補助を実施しています。
特徴的なのが、「保安灯」と一体の制度になっている点です。那覇市では街路灯を「保安灯」と呼んでおり、防犯カメラの設置補助はこの保安灯の設置補助と同じ枠組みで運用されています。
この記事では、制度の内容と、公開されている申請書類・チェックリストの活用方法を整理します。なお、内容や受付期間は変更される場合がありますので、実際に申請される際は必ず那覇市の公式ページか市民生活安全課でご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。
3つの補助制度がある
那覇市では、令和8年度に次の3つの事業が実施されています。
保安灯電気料補助事業——自治会等が維持管理している保安灯の電気料金を補助するものです。
保安灯、防犯カメラ設置等補助事業——防犯カメラおよび保安灯の新設、保安灯の修繕・取替(LEDからLEDのみ)が対象です。防犯カメラの設置補助はこの事業に含まれます。
保安灯LED化推進事業——既存の保安灯をLED化する際の補助です。
防犯カメラを設置したい場合は、2つめの「保安灯、防犯カメラ設置等補助事業」を利用することになります。
引用元:https://www.city.naha.okinawa.jp/safety/anzen-bouhan/1001689/1001691.html(那覇市「保安灯・防犯カメラに対する補助」)
申請に必要な書類
那覇市では、申請書類が具体的に示されています。防犯カメラの設置補助では、次の書類が必要です。
保安灯等設置等事業補助金交付申請書(第1号様式)——申請の基本書類です。記載例も公開されています。
収支予算書(第2号様式)——事業の収支計画を示すものです。こちらも記載例があります。
見積書(写し)——施工業者が作成したものが必要です。
設置場所を示した地図——ここで重要なのが、防犯カメラの場合は位置図に撮影方向と撮影範囲を記載するという条件です。単に設置場所を示すだけでは足りません。
設置予定場所の写真
器具仕様書(カタログの写し)
保安灯・防犯カメラ設置承諾書——私有地内や住宅の壁等に取り付ける場合のみ必要です。
このほか、委託契約自治会以外の団体は会則と役員名簿または誓約書が、債権者登録をしていない団体は登録用紙と口座通帳が必要になります。
撮影方向と撮影範囲の記載
申請書類のなかで、特に注意したいのが位置図です。
撮影方向と撮影範囲を記載することが明示されています。これは、公共空間を撮影するという要件を満たしているか、そして個人宅が過度に映り込まないかを確認するための書類です。
作成にあたっては、住宅地図などを用意し、カメラの設置位置に印を付け、そこから扇形に撮影範囲を書き込むという方法が一般的です。カメラの画角がわからない場合は、施工業者に相談すれば作成してもらえることが多いでしょう。
この段階で撮影範囲を可視化しておくことには、実務上のメリットもあります。近隣への説明資料としてそのまま使えるからです。「お宅の敷地はこの範囲外です」と図で示せれば、口頭の説明より格段に伝わります。
近隣への配慮については、こちらの記事も参考になります。 → 防犯カメラを設置する前に、ご近所へ何を伝えるべきか|トラブルを避ける進め方
チェックリストとQ&Aが公開されている
那覇市の資料で注目したいのが、**「防犯カメラ新設 チェックリスト」と「防犯カメラ設置補助についてよくある質問」**が公開されている点です。
補助金の申請では、書類の不備で受付できないというケースが頻繁に起こります。チェックリストがあれば、提出前に自分たちで確認できます。
Q&Aについても、同じような疑問を持つ団体が多いからこそ用意されているはずです。要綱を読んで迷うより、まずQ&Aを見た方が早く解決することも多いでしょう。
申請前に必ず目を通しておくことをおすすめします。担当課への問い合わせも、Q&Aで解決しない点に絞れば効率的です。
手続きの流れを確認する
那覇市では、手続きの流れを示した図も公開されています。
補助金制度の一般的な流れは、申請、交付決定、事業実施(設置工事)、実績報告、補助金交付——という順序です。交付決定を受ける前に工事を始めると補助対象外になりますので、この順序は必ず守ってください。
事業終了後には実績報告書の提出が必要です。様式が公開されていますので、事前に内容を確認しておくと、完了時に慌てずに済みます。
保安灯との組み合わせを考える
那覇市の制度が保安灯と一体である点は、実は防犯対策として理にかなっています。
照明と記録は補完関係にあるからです。暗い場所では、カメラを設置しても人物の識別が難しくなります。逆に、明るい場所は犯行そのものが起きにくくなります。
「この通りが暗くて不安」という声が地域から上がったとき、防犯カメラだけを検討するのではなく、保安灯の設置・LED化も併せて考える——という発想が持ちやすい制度設計といえます。
カメラの夜間性能も併せて確認しておきましょう。赤外線暗視であれば白黒映像に、フルカラー暗視対応モデルであれば夜間もカラーで記録できます。保安灯によってある程度の明るさが確保できる場所であれば、カラーでの記録が期待できます。
夜間撮影の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 夜間撮影に強い防犯カメラの選び方|暗視機能の種類と使い分け
設置場所の承諾について
私有地内や住宅の壁等に取り付ける場合は、承諾書が必要とされています。様式と記載例の両方が公開されています。
実務上、この承諾を得ることが最初のハードルになることがあります。
設置期間を明確にすることをおすすめします。「いつまで設置するのか」が曖昧だと、所有者も判断しにくくなります。
電気料金の負担についても取り決めておく必要があります。個人宅から電源を取る場合、その分を自治会が負担するのか、どう精算するのか——後々のトラブルを避けるため、書面で合意しておくとよいでしょう。
撤去時の対応も決めておくべきです。将来的に不要になった場合、誰が費用を負担して撤去するのか。この点も承諾書に含めておくと安心です。
沖縄ならではの設置環境
沖縄で屋外にカメラを設置する場合、気候条件への配慮が欠かせません。
台風への耐性が最も重要です。強風に耐えられる取付金具の選定と、確実な固定が必要になります。設置後に向きがずれていないか、台風シーズン後に確認する習慣をつけるとよいでしょう。
塩害への対策も考慮すべきです。海に近い地域では、金属部分の腐食が早く進みます。ステンレス製の金具を選ぶ、定期的に状態を確認するといった対応が有効です。
高温多湿という環境も、機器にとっては負荷になります。直射日光が長時間当たる場所は避け、可能であれば庇の下に設置することをおすすめします。防水性能はIP65以上、できればIP66以上のモデルを選びましょう。
IP規格の見方については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラの防水防塵性能とは?IPレベルの見方を解説
問い合わせ先は?
制度についての問い合わせ先は、市民文化部 市民生活安全課 交通・防犯グループです。市庁舎1階に窓口があります。
那覇市のページには、防犯に関する注意喚起情報も多数掲載されています。点検業者を装う不審者、警察官をかたる詐欺、オートバイ盗難の急増——こうした地域の犯罪情勢は、設置場所を検討する際の参考になります。
まとめ
那覇市の防犯カメラ補助は、保安灯の設置補助と一体の「保安灯、防犯カメラ設置等補助事業」として運用されています。
申請書類のなかでは、位置図に撮影方向と撮影範囲を記載するという条件が特徴的です。この図は近隣への説明資料としても活用できますので、丁寧に作成しておく価値があります。
そして、チェックリストとQ&Aが公開されている点は大きな利点です。書類不備で受付できないという事態を避けるため、申請前に必ず確認しておくことをおすすめします。
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