防犯ブログ

地震の後に気をつけたいこと|建物の損傷が生む防犯上のリスク

地震が起きたとき、まず考えるのは身の安全です。次に、家族の無事、建物の被害、ライフラインの状況——確認すべきことが続きます。

そのなかで、防犯という視点は後回しになりがちです。しかし、地震の後には特有のリスクが生じます。

この記事では、地震後の防犯について整理します。

何が起きるのか

まず、状況を確認しておきましょう。

建物が損傷する——窓ガラスが割れる、ドアが歪んで閉まらない、外壁にひびが入る——こうした状態では、施錠しても意味をなさないことがあります。

避難で家を空ける——避難所や親族宅に移れば、自宅は無人になります。地域全体でこの状況が生じます。

警察力が分散する——救助、交通整理、被害把握——通常の巡回は相対的に手薄になります。

停電・通信障害——防犯設備が機能しなくなる可能性があります。

近隣も被災している——普段は見守り合える関係でも、それぞれが自分の対応で手一杯になります。

災害時の防犯全般については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 災害時に増える「火事場泥棒」から家を守る|避難前にできる備えと平常時の準備

建物の損傷と防犯

地震特有の問題です。

歪んだドア——地震で建物がわずかに変形すると、ドアが閉まらなくなることがあります。鍵がかからなければ、無防備な状態です。

割れた窓——ガラスが破損すれば、そこが開口部になります。

外れた雨戸・シャッター——物理的な防御が失われます。

応急処置——ブルーシート、板、養生テープ——完全ではなくても、開口部を塞いでおくことに意味があります。

業者の手配——地震後は修理の依頼が集中します。順番待ちになることを前提に、応急処置を考えてください。

貴重品の持ち出し——建物が無防備な状態であれば、重要なものは持ち出すか、別の場所に移すという判断もあります。

避難する前に

時間に余裕がある場合の対応です。

身の安全が最優先——津波、火災、倒壊の危険——一刻を争う状況では、以下の作業は省略して直ちに避難してください。

施錠の確認——玄関、窓——閉まる場所は閉めておきます。

ブレーカーを落とす——通電火災の防止です。防犯とは別ですが、重要な作業です。

貴重品を持つ——現金、通帳、印鑑、身分証——避難生活でも必要になります。

避難先を伝える——家族や近隣に、どこに行くかを知らせておきます。

カメラの状態——バッテリー式であれば、停電中も稼働を続けます。事前に充電してあれば、より長く機能します。

避難所での注意

自宅を離れた先での話です。

貴重品は身につける——多くの人が集まる場所では、盗難の被害が報告されています。

荷物を置いたまま離れない——トイレや配給の列に並ぶ際も、貴重品は持って行きます。

就寝中の管理——バッグの中身を抜き取られるケースがあります。身体に近い場所で管理してください。

女性や子どもへの配慮——一人でトイレに行かない、暗い場所を避ける——性犯罪のリスクが指摘されています。

周囲との協力——同じ避難所の人と、互いに見守り合う関係を作ることが有効です。

自宅の確認に戻るとき

一時的に自宅へ戻る場合です。

安全確認が先——余震、建物の倒壊リスク——安全が確認できてから入ってください。

一人で行かない——可能であれば、複数人で行動します。

異変があれば入らない——荒らされた形跡がある場合、犯人がまだいる可能性を考慮してください。

状況を記録する——被害があれば、写真を撮っておきます。保険請求や被害届で必要になります。

持ち出すものを決めておく——短時間で済ませられるよう、事前に何を取りに行くかを整理しておくと効率的です。

被害後の対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 空き巣に入られたら、まず何をすべきか|通報から復旧までの手順

便乗した業者に注意

災害後に増えるトラブルです。

修理を装った訪問——「屋根が壊れているのが見えた」「無料で点検します」——地震後にこうした訪問が急増します。

保険金請求の代行——「保険で無料になる」という説明を受けて契約したが、実際には保険が下りず高額な請求を受けた——というケースがあります。

その場で契約しない——これが最も重要な原則です。急かす言葉が出た時点で、応じるべきではありません。

複数社から見積もりを取る——時間はかかりますが、適正な判断のために必要です。

保険会社に確認する——保険の適用は保険会社が判断します。業者が保証できるものではありません。

クーリング・オフ——訪問販売で契約した場合、8日以内であれば無条件で解除できます。

訪問販売への対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 訪問販売・点検商法の断り方|玄関先で身を守るための対応マニュアル

防犯設備の点検

地震の後に確認したいことです。

カメラの向き——揺れで角度が変わっていないか。想定した範囲が映っているか確認します。

取付部の緩み——固定金具が緩んでいれば、落下の危険もあります。

録画の状態——停電の影響で、記録が止まっていないか。実際に再生して確認してください。

時刻設定——停電後にリセットされていることがあります。

配線の状態——引っ張られていないか、断線していないか。

センサーライトの動作——正常に点灯するか。

点検の方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラは「つけたら終わり」じゃない|設置後に必要なメンテナンスと点検の話

平常時にできる備え

地震はいつ起きるかわかりません。事前の準備が有効です。

貴重品の整理——持ち出すもの、家に残すもの——事前に区分しておきます。

重要書類のデータ化——保険証券、権利書、身分証——スキャンしてクラウドに保存しておけば、原本を失っても情報は残ります。

家財の記録——部屋ごとの写真を撮っておけば、被害の証明に使えます。

応急処置の道具——ブルーシート、養生テープ、板——開口部を塞ぐための材料を備えておきます。

バッテリー式のカメラ——停電時も稼働を続けます。

モバイルバッテリー——スマートフォンの電池切れは、情報の遮断を意味します。

災害への備えについては、こちらの記事も参考になります。 → 停電したとき、あなたの防犯設備は動きますか?電源が切れたときの備えを考える

地域での対応

一人でできることには限りがあります。

近隣との情報共有——誰が避難したか、誰が残っているか——把握しておくと、異変に気づきやすくなります。

巡回の実施——過去の被災地では、住民が交代で見回りを行った例があります。

自治会での取り決め——災害時にどう連携するかを、平常時に話し合っておくことが有効です。

不審者情報の共有——見慣れない人物が出入りしている——こうした情報を共有することで、警戒が高まります。

無理をしない——被災している状況で、過度な負担を負う必要はありません。できる範囲での協力にとどめてください。

見守り活動については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 地域の見守り活動をする側の心得|無理なく続けるための考え方

心の負担も考える

見落とされがちな点です。

被災の衝撃——家が壊れる、生活が変わる——精神的な負担は大きなものです。

そのうえでの盗難被害——さらに追い打ちをかけられる形になります。

一人で抱え込まない——家族、友人、支援窓口——相談できる相手を持つことが大切です。

完璧を求めない——被災している状況で、通常どおりの防犯対策はできません。できる範囲でよいのです。

優先順位——身の安全、健康、生活の再建——防犯はそのなかの一要素です。すべてを同時に完璧にすることはできません。

まとめ

地震の後には、建物の損傷、避難による無人化、警察力の分散——こうした要因が重なり、防犯上のリスクが高まります。

避難前に時間があれば、施錠の確認と貴重品の持ち出しを。ただし、身の安全が最優先です。危険な状況では、これらを省略して避難してください。

そして、災害後に増える便乗業者にも注意が必要です。その場で契約せず、複数社から見積もりを取るという原則を守ってください。

平常時の備えとしては、貴重品の整理、重要書類のデータ化、応急処置の道具——こうした準備が有効です。

被災している状況で、完璧な防犯対策はできません。できる範囲でよいという前提で、優先順位をつけて対応することをおすすめします。

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