「うちはカメラ付きのインターホンがあるから、防犯カメラまでは要らないかな」。ご相談のなかで、そんな声を聞くことがよくあります。
たしかに、最近のインターホンは録画機能やスマートフォン連携を備えたものが増えてきて、玄関まわりの防犯にはずいぶん役立つようになりました。一方で、防犯カメラとはそもそも役割が違う部分もあります。どこまでをインターホンに任せられて、どこからが防犯カメラの出番なのか。今回は、その違いを整理してみました。
インターホンと防犯カメラは、何が違うの?
いちばん大きな違いは、「何のために映しているか」だと思います。
カメラ付きインターホン(テレビドアホンやビデオドアホンなどと呼ばれます)は、玄関や門に来た人の姿を室内のモニターで確認して、通話をするための機器です。ドアを開ける前に、相手の顔や服装、持ち物を確認できるのが本来の役割です。
これに対して防犯カメラは、敷地のなかや家のまわりを継続的に映して、記録として残すための機器です。人が来たときだけでなく、誰もいないように見える時間帯の様子も含めて残せるのが強みだと思います。
つまり、インターホンは「来訪者への対応」、防犯カメラは「敷地の見守りと記録」。得意なことが違うので、どちらかがもう一方の代わりになる、というより、役割を分けて考えるほうがしっくりきます。
録画機能付きのインターホンは、どこまで頼れる?
最近の機種では、できることがかなり増えています。
たとえば、カメラのセンサーが人や物の動きを検知すると、短い動画を自動で録画して、留守中の来訪者を後から確認できる機種があります。あるメーカーの機種では、検知すると約10秒間の動画を録画する仕様でした。Wi-Fiに接続して、外出中でもスマートフォンから来訪者に対応できる製品もあります。パナソニックの機種のように、モニター親機に差し込んだmicroSDカードへ自動録画できるものもあります。
ALSOKの解説でも、カメラ付きインターホンは訪問者がいないときでも玄関まわりの様子を確認できることや、ほかの防犯アイテムと組み合わせることで効果を高められることが紹介されています。玄関先の防犯としては、十分に心強い機器です。
インターホンだけだと、足りないところは?
一方で、インターホンだけでは難しい場面もあります。
映る範囲が玄関まわりに限られる。 勝手口、駐車場、庭、家の裏手や側面の窓などは、玄関のカメラからは見えません。侵入口として狙われやすいのは玄関だけではないので、ここが空白になってしまいます。
録画が「検知したときだけ」の短い映像になりやすい。 製品によって仕様は異なりますが、先ほどのように約10秒の映像を記録するタイプでは、その前後の動きまでは残らないことがあります。誰かが玄関先で長く何かをしていた、といった場合には、記録が足りないかもしれません。
逆光や夜間に見えにくいことがある。 日本セキュリティ機器工業会の資料でも、カメラを使う以上、逆光や暗い場面で被写体が見えにくくなるのは避けられない特性だと触れられています。さらに、インターホンの子機は建物の設備として付ける位置が決まるので、カメラとして最適な場所に置けるとは限りません。
設置位置が人の手の届く範囲にある。 玄関の壁にあるインターホンは、いたずらで壊されたり、向きを変えられたりする可能性もゼロではありません。
どう使い分ければいいの?
私は、次のように考えるとわかりやすいと思っています。
- 玄関先で来訪者に応対するときは、カメラ付きインターホンを使う
- 家のまわり全体を見守り、記録を残すときは、防犯カメラを使う
- 玄関まわりはインターホンの映像と防犯カメラの映像で、2つの視点から残す
製品によっては、ドアホンのモニター親機に屋外カメラを追加できるものもあります。パナソニックのページでは、1台の親機に最大4台まで接続でき、複数の場所をまとめて見守れる構成が紹介されています。ドアホンを更新する機会に、カメラの追加もまとめて考えるのはひとつの方法だと思います。
訪問者への応対そのものの注意点は、宅配便・訪問者対応の防犯リスクと対策に、侵入前に下見をする人の動きは「ピンポン」は挨拶じゃない。侵入前に犯人がやっていることにまとめています。インターホン越しの対応で気をつけたいことを知るのに、あわせて読んでみてください。
インターホンを選ぶとき、防犯の面で確認したいことは?
これから買い替えや新設をお考えなら、次の点を見ておくと安心です。
- 動体検知での自動録画に対応しているか(留守中の来訪者を記録できるか)
- 録画の長さ、保存先(本体メモリーかmicroSDカードか)と、保存できる件数
- スマートフォンで外出先から対応できるか
- 逆光や夜間の映りがどうか、上下の角度調整ができるか
- 設置位置を、顔が映りやすい高さや向きにできるか
自治体の補助制度では、防犯カメラとカメラ付きインターホンを別々の対象品目として扱っている例もあります。たとえば中野区の補助では、どちらも対象にしつつ、防犯カメラは屋外設置などの条件を付けています。お住まいの地域の要綱は、購入前に確認してみてください。
まとめ
録画機能付きインターホンは、玄関先の防犯には心強い設備です。ただ、役割は来訪者への応対が中心で、家のまわり全体を継続的に見守る防犯カメラとは、得意分野が違います。
玄関はインターホン、敷地のまわりは防犯カメラ、という役割分担で考えると、それぞれの弱いところを補い合えるのではないでしょうか。
まずは、ご自宅のインターホンの映像を録画一覧から見返して、顔がはっきり映っているか、夜でも見えるか、確かめてみてください。そこから、足りないところが見えてくると思います。少しでも参考になればうれしいです。
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引用元:https://www.alsok.co.jp/person/recommend/2356/(ALSOK カメラ付きインターホンとは?選び方と防犯対策を解説) 引用元:https://www.irisohyama.co.jp/news/2023/amp/?date=1023(アイリスオーヤマ テレビドアホン発売のお知らせ) 引用元:https://www.ssaj.or.jp/mail_magazine/2010/01_newyear/pdf/04.pdf(日本セキュリティ機器工業会 最新のテレビインターホン) 引用元:https://panasonic.jp/life/security/270004.html(パナソニック 防犯カメラ・ドアホンの解説ページ) 引用元:https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kurashi/bohan/hanzaihigai/20250707.files/01.pdf(中野区 防犯機器等の補助対象品目)
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