防犯カメラのハッキングというと、カメラ本体のパスワードを変えましょう、ファームウェアを更新しましょう、というお話が中心になります。もちろん大切なことで、手口や兆候、対処法については防犯カメラはハッキングされるのかという記事や、ハッキング・ジャミング・なりすましの記事、初期パスワードの記事でも触れてきました。
ただ、ご相談を受けていて感じるのは、カメラの設定はしっかりしているのに、その手前にあるルーターが手つかずのままというご家庭が少なくないことです。カメラは玄関の鍵のようなもので、ルーターは家の門にあたります。門が開いていては、鍵だけ頑丈にしても意味が薄れてしまいます。今回は、ルーターを中心に、ネットワークの側から見たハッキング対策をまとめてみました。
ハッキングの入口は、カメラだけではないの?
総務省と情報通信研究機構(NICT)は、「NOTICE」という取り組みを続けています。インターネット上にあるIoT機器、つまりルーターやネットワークカメラなどを調べて、ID・パスワードが推測されやすい機器、高いリスクのある脆弱性を抱えた機器、マルウェアに感染した機器を見つけ出し、プロバイダを通じて持ち主に注意を呼びかける仕組みです。
ここで名前が挙がっているのが、カメラと並んでルーターだという点が大切です。どちらも「常にインターネットにつながっている機器」で、攻撃する側にとっては同じように狙いどころになります。カメラだけ、あるいはルーターだけ守っても、片方が弱ければそこから入られるおそれがある、と考えておいたほうがよさそうです。
ルーターは、何を見直せばいい?
警察の注意喚起で共通して挙げられているのは、次の3点です。
ひとつは、管理画面の初期パスワードを変えること。富山県警のサイバー防犯の資料では、管理画面にログインするための初期パスワードは取扱説明書などに書かれていて不正アクセスの危険があるため変更すること、英数字と記号を組み合わせた長く複雑なものにすることが勧められています。ここで言う管理画面のパスワードは、Wi-Fiにつなぐときのパスワードとは別のものです。意外と混同されやすいところですので、一度確認してみてください。
ふたつめは、ファームウェアを最新にしておくこと。自動更新の機能があれば、有効にしておくと安心です。
みっつめは、メーカーのサポートが終わっていないかの確認です。福岡県警の資料では、サポートが切れたルーターやネットワークカメラは新しいファームウェアが提供されず、脆弱性が見つかっても修正できないため、悪用されるおそれがあるとして、買い替えを検討するよう呼びかけています。型番はルーター本体のラベルに書かれていることが多いので、メーカーのサイトで一度調べてみてはいかがでしょうか。「まだ普通に使えるから」と古い機器を使い続けているお宅は多いように思いますが、通信できることと、安全であることは別の話です。
カメラを設置した直後にやっておきたい設定については、買ったら最初にやる設定の記事にもまとめています。
外出先から見る設定は、どこまで必要?
スマートフォンで外出先から映像を見る機能は便利ですが、その仕組みによっては、ルーターの設定でポート開放やUPnPといった機能を使うことがあります。これは外から家のネットワークへの入口を開けることでもあります。外出先から確認する必要がなければ、無効にしておくのが基本です。具体的な考え方は、ハッキング・ジャミング・なりすましの記事の対策のところで触れています。
カメラを別のネットワークに分ける方法はある?
もうひとつの考え方が、ネットワークを分けることです。たとえばNECのAtermでは、ゲスト用のSSIDに「ネットワーク分離機能」が用意されていて、ゲストSSIDにつないだ機器からは、通常のSSIDにつながった機器や有線でつないだ機器、ルーターの設定画面にアクセスできなくなる仕組みになっています。万が一カメラが乗っ取られても、家のパソコンやスマートフォンまで被害が広がりにくくなる、という発想です。
ただし、注意点があります。名前も仕様もメーカーや機種によって違いますし、カメラとスマートフォン、レコーダーが同じネットワークの中で通信する構成だと、分離したことで映像が見られなくなることがあります。ご自宅の機器でできるかどうかは、メーカーのマニュアルを見るか、設置業者に相談してから設定することをおすすめします。
カメラを選ぶとき、セキュリティはどこで見分けられる?
これから買うカメラについては、国の制度が目安になります。IPA(情報処理推進機構)が運営する「JC-STAR」は、インターネットにつながるIoT製品のセキュリティ機能を、共通の物差しで評価して見える化する制度です。最低限の水準を示す★1と、製品の種類ごとに要件が定められた★2から★4の段階があり、ネットワークカメラ向けの要件も公開されています。福岡県警も、安全なIoT製品を選ぶときはこのラベルがついた製品を選ぶよう案内しています。
ただし、IPA自身が、ラベルがあるからといって完全なセキュリティが保証されるわけではないと注意を促しています。また、ラベルを取得する前に「適合予定」のような表記を使わないよう案内もしています。気になる製品があれば、メーカーの説明だけでなく、IPAが公開しているラベル取得製品のリストで確認するのが確実です。カメラ選びで失敗しやすい点は、カメラ選びの失敗と後悔の記事も参考にしてみてください。
まとめ
防犯カメラのハッキング対策は、カメラ本体だけでなく、ルーターを含めた家のネットワーク全体で考えるものです。ルーターの管理画面のパスワードを変える、ファームウェアを更新する、サポートが終わっていないか確認する。外出先から見る必要がなければ、ポート開放などは無効にする。そして、カメラを新しく選ぶときは、JC-STARのラベルも目安にする。どれも特別な知識がなくても、一つずつ進められることばかりです。
ワイズセキュリティでは、防犯カメラのオンラインストアを開設しています。最新スペックの防犯カメラを順次ラインナップしており、全製品1年保証付きです。設置場所や用途に合ったカメラ選びについてのご相談も承っていますので、お気軽にどうぞ。
引用元:https://www.soumu.go.jp/main_content/001063455.pdf(総務省「IoT機器調査及び利用者への注意喚起(NOTICE)」) 引用元:https://police.pref.toyama.jp/documents/1266/2023_6.pdf(富山県警察 サイバー防犯の資料) 引用元:https://www.police.pref.fukuoka.jp/data/open/cnt/3/22691/1/fcsnet131.pdf(福岡県警察 サイバーセキュリティ情報) 引用元:https://aterm.jp/function/wg2600hp3/guide/nw_separation.html(NEC Aterm ネットワーク分離機能) 引用元:https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/index.html(IPA セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度 JC-STAR)
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