防犯ブログ

高齢者向けの防犯機器補助があります|特殊詐欺対策としての電話機・カメラ支援

防犯カメラの補助制度は自治会向けが中心ですが、高齢者を対象とした個人向けの制度を設けている自治体もあります。

背景にあるのは、特殊詐欺の被害です。大分県のページでは、次のように説明されています。警察官や息子をかたるオレオレ詐欺が急増し、犯人は被害者方の玄関まで現金を受け取りに来ている——しかし、自宅外に防犯カメラが設置されていれば、犯人も容易に近づけない。

この記事では、高齢者向けの防犯機器補助の内容と、活用のポイントを整理します。なお、制度の内容は自治体によって異なりますので、実際の申請にあたっては必ずお住まいの自治体の公式情報をご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

どんな機器が対象になるのか

高齢者向けの制度では、防犯カメラだけでなく複数の機器が対象になることが一般的です。

防犯機能付き電話機が代表的です。着信時に「この通話は録音されます」といった警告メッセージを流す機能、通話を自動録音する機能、迷惑電話番号を着信拒否する機能——こうした機能を備えた電話機です。

外付けの通話録音装置も対象になることがあります。既存の電話機に接続して使うタイプで、電話機ごと買い替える必要がありません。

家庭用防犯カメラも対象です。大分市では「防犯機能付き電話機、家庭用防犯カメラの購入費用を補助します」という制度が実施されています。

カメラ付きインターホンが含まれる自治体もあります。玄関を開ける前に相手を確認できるため、訪問型の犯罪への対策として有効です。

引用元:https://www.pref.oita.jp/soshiki/13100/kateiyoubouhannkamera-tokushusagi.html(大分県「家庭用防犯カメラ購入費用補助について」)

年齢要件に注意

高齢者向けの制度では、当然ながら年齢が要件になります。

大分市の制度についてのQ&Aでは、次のようなやり取りが示されています。

「機器等を購入したとき60歳未満であったが、申請時は満60歳になっていた。この場合は申請できますか」——という質問に対し、「購入時に満60歳以上であることが条件です。この場合は補助対象外のため、申請できません」という回答です。

つまり、購入時点での年齢が判断基準ということです。申請時ではありません。

誕生日が近い方は、この点に注意が必要です。数日の違いで対象外になる可能性があります。

申請は購入後

もうひとつ、同じQ&Aで示されているのが申請のタイミングです。

「申請はどのタイミングですればよいですか」——という質問に対し、「申請は購入し設置した後のみ受付します」という回答です。

自治会向けの補助金では「交付決定後に工事」という順序が原則ですが、個人向けの制度では購入後の申請が一般的です。

ただし、対象期間には注意が必要です。多くの制度で「令和8年4月1日以降に購入したもの」といった期間の指定があります。それ以前に購入した機器は対象外になります。

「以前から使っている電話機の費用を今から申請したい」ということはできませんので、この点は押さえておいてください。

提出書類の例

大分市の案内では、**カメラの設置写真(A4サイズ以内の紙にカラー印刷したもの)**という指定があります。

写真の形式まで具体的に示されているのは、実務上の混乱を避けるためでしょう。データではなく紙、白黒ではなくカラー、A4以内——という条件です。

このほか、一般的には次のような書類が必要になります。

交付申請書——所定の様式です。

領収書の写し——購入者、購入日、金額、販売店名が記載されたもの。

機器の仕様が分かる資料——カタログやパンフレット。

本人確認書類——年齢と居住を確認するためのもの。

市税の納付状況が確認できる書類——滞納がないことが条件とされる場合があります。

申請窓口は、大分市の場合、本庁舎2階の生活安全・男女共同参画課、または各支所の窓口とされています。

電話機とカメラ、どちらを優先すべきか

限られた補助額のなかで、何を選ぶか。判断の目安を整理します。

電話が主な接触経路である場合は電話機が優先されます。特殊詐欺の多くは電話から始まります。「この通話は録音されます」というメッセージが流れるだけで、犯人が電話を切るケースは多く報告されています。

訪問による被害が心配な場合はカメラやインターホンが有効です。近年は「アポ電」で在宅を確認したうえで訪問する手口や、現金の受け取りに直接来る手口が増えています。玄関前の記録が残ることは、抑止としても証拠としても意味があります。

両方が対象になる制度であれば、上限額の範囲内で組み合わせることも検討できます。

高齢者を狙う手口については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 高齢の親を詐欺・悪質訪問販売から守る|手口の実態と家族でできる対策

離れて暮らす家族ができること

この種の制度は、本人が知らないまま終わってしまうことが少なくありません。

制度の存在を伝えることが、まず家族にできることです。市の広報誌やホームページに掲載されていても、目に留まらないことは多いものです。

手続きを手伝うことも有効です。申請書の記入、領収書の準備、写真の印刷——こうした作業は、慣れていないと負担に感じられます。

機器の選定と設置もサポートできるでしょう。どの電話機を選ぶか、カメラをどこに設置するか——一緒に検討することで、より適切な選択ができます。

使い方を確認することも大切です。設置しても使い方がわからなければ意味がありません。特にカメラの場合、スマートフォンアプリの設定が必要なこともあります。

離れて暮らす親の見守りについては、こちらの記事も参考になります。 → 離れて暮らす親をどう見守るか|安否確認の方法とカメラを使うときの配慮

設置場所の考え方

家庭用防犯カメラを設置する場合、どこに向けるかが重要です。

玄関前が基本です。訪問者を記録することが目的であれば、玄関ドアに近づく人物の顔が識別できる角度が理想的です。

高さと角度に注意してください。高い位置から真下を向けると、頭頂部しか映りません。地上2〜3メートル程度で、顔に対して斜め上から捉える位置が適しています。

逆光を避けることも大切です。玄関が西向きであれば、夕方の逆光で人物が黒く潰れる可能性があります。

近隣への配慮も忘れないでください。撮影範囲に隣家の敷地や玄関が継続的に入る設置は、トラブルの原因になります。多くのカメラにはプライバシーマスク機能があり、特定部分を隠せます。

近隣への配慮については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 防犯カメラを設置する前に、ご近所へ何を伝えるべきか|トラブルを避ける進め方

詐欺への注意も忘れずに

補助制度の存在を悪用した勧誘にも注意が必要です。

「補助金が使えるので今すぐ契約を」「役所から委託されています」——こうした訪問や電話には応じないでください。

江東区の案内では、区役所からお金を要求したり、防犯機器の購入をあっせんしたりすることはないため詐欺に注意するよう呼びかけられています。

制度について確認したい場合は、自分で市の窓口に問い合わせることが確実です。相手が示した連絡先ではなく、公式に案内されている番号にかけてください。

訪問販売への対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 訪問販売・点検商法の断り方|玄関先で身を守るための対応マニュアル

まとめ

高齢者を対象とした防犯機器の補助制度は、特殊詐欺対策として各地で実施されています。防犯機能付き電話機、通話録音装置、家庭用防犯カメラ、カメラ付きインターホン——対象となる機器は自治体によって異なります。

注意すべきは、購入時点での年齢が要件であること、購入後に申請する方式であることです。大分市のQ&Aでは、この点が明確に示されています。

そして、制度の存在が本人に届いていないことも少なくありません。離れて暮らすご家族から伝えていただくことが、実は最も効果的な周知かもしれません。

まずは、お住まいの自治体の公式ページを確認してみてください。

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