防犯ブログ

窓ガラス、割られたらどのくらい持ちこたえる?|防犯ガラス・防犯フィルムとCPマークの話

家の防犯というと、まず玄関の鍵を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。でも、一戸建ての侵入口として多いのは、実は窓です。そして窓から入る手口でよく使われるのが、ガラスを割って鍵を開ける「ガラス破り」です。

鍵をしっかりかけていても、ガラスが簡単に割れてしまえば、そこから手を入れて鍵を開けられてしまいます。窓の鍵を強くするのと同じくらい、「ガラスそのもの」の強さも大事だと思います。

今回は、防犯ガラスと防犯フィルム、そして選ぶときの目安になる「CPマーク」について、まとめてみました。

普通の窓ガラスって、そんなに弱いの?

住宅に使われている一般的な窓ガラスは、防犯のために作られたものではありません。外の景色を見たり、光を取り込んだりするためのものなので、ドライバーやハンマーのような道具を使えば、思っている以上に短い時間で穴が開いてしまいます。

静岡県警察も、ハンマーやバールで窓ガラスを割って侵入する手口が多発していると注意を呼びかけています。同県警では、普通の窓ガラス、防犯フィルムを貼ったガラス、防犯ガラスで、どのくらい耐えられるかを比べる実験を行い、その様子を公式の動画チャンネルで公開しています。文章で読むよりも、実際に映像で見ると違いがよくわかりますので、一度見てみることをおすすめします。

「5分」って、どういう意味があるの?

防犯の世界では「5分」という時間がよく出てきます。

侵入しようとする人に「侵入に手間取ったら、どのくらいで諦めるか」を尋ねた調査では、「2分を超えて5分以内」と答えた人が半数を超えていたそうです。ここから、5分持ちこたえられれば、侵入をかなりの割合で諦めさせられる、という考え方が生まれました。

つまり、防犯ガラスや防犯フィルムの役割は、「絶対に割れないこと」ではなく、「割って入るまでに時間をかけさせること」です。ガラスに穴が開くまでに時間がかかれば、そのあいだに音が出て、人に見られる可能性も高くなります。侵入する側にとっては、割に合わない家になるということですね。音が防犯にどう役立つのかは、「音」で防ぐ防犯対策|砂利・アラーム・警報器が効く理由でまとめています。

CPマークって何?

防犯ガラスやフィルムを選ぶとき、目安になるのが「CPマーク」です。

CPマークは、警察庁や国土交通省、業界団体などでつくる官民合同会議が、一定の防犯性能があると認めた建物の部品につけられるマークです。侵入しようとする人が壊し始めてから、侵入できる穴が開くまでの時間を試験で確かめ、5分以上持ちこたえたものが「防犯性能の高い建物部品」として目録に載ります。

静岡県警察によると、令和6年9月末の時点で、この目録には17種類、3,000品目以上が登録されているそうです。ガラスやフィルムだけでなく、ドアや錠、サッシ、シャッターなども対象になっています。

ただ、CPマークがついているからといって、侵入を完全に防げるわけではありません。あくまで「時間を稼ぐ」ための部品だということは、頭に入れておきたいところです。

防犯ガラスと防犯フィルム、どちらがいいの?

それぞれに向き不向きがあると思います。

防犯ガラスは、2枚のガラスのあいだに強い膜をはさんだものです。割れても膜が残るので、簡単には穴が開きません。性能はしっかりしていますが、ガラスそのものを交換するので、費用はそれなりにかかります。新築やリフォームのタイミングで検討するのがいちばん現実的ではないでしょうか。

防犯フィルムは、今あるガラスに貼るものです。ガラスを交換するより費用を抑えられますし、賃貸住宅でも、管理会社の了解が取れれば使いやすいと思います。

ガラスを強くするのとあわせて、窓に補助錠をつけておくと、仮にガラスを割られても鍵を開けるまでにさらに時間がかかります。補助錠や二重施錠の考え方は、「鍵をかけた」だけでは足りない——補助錠・二重施錠が防犯の常識になったの記事も参考にしてみてください。

ひとつ気をつけたいのは、フィルムは「貼り方」で性能が大きく変わることです。窓の一部、鍵のまわりだけに小さく貼っても、それ以外の部分を割られてしまえば意味がありません。CPマークのついたフィルムでも、製品ごとに決められた条件で施工してはじめて性能が発揮されるものなので、購入するときに施工の条件まで確認しておくと安心です。

どの窓から対策すればいいの?

家じゅうの窓を一度に変えるのは大変です。優先順位をつけるなら、次のような窓からではないでしょうか。

道路や隣家から見えにくい窓。家の裏手や、塀・植木の陰になっている窓は、作業していても気づかれにくい場所です。

人が通れる大きさの窓。リビングの掃き出し窓や、腰の高さにある窓は、侵入口として狙われやすいところです。

足場がある窓。物置や室外機の近くにある2階の窓、ベランダに面した窓も見落とせません。

窓の形ごとの弱点については窓の種類で変わる侵入リスク|形状ごとの弱点と対策で、ベランダも含めた侵入対策は窓・ベランダからの侵入を防ぐ方法をまとめた記事で詳しく書いていますので、あわせて読んでいただけると、どこから手をつけるか考えやすいと思います。

防犯カメラとはどう組み合わせる?

ガラスで時間を稼ぐ対策と、防犯カメラはとても相性がいいと思います。

ガラスがなかなか割れなければ、侵入しようとする人は窓の前で長く作業することになります。そのあいだ、カメラには顔や服装がはっきり映る時間が長くなります。動きを検知してスマートフォンに通知が届く設定にしておけば、作業の途中で気づける可能性も出てきます。

逆に、カメラが窓の前を映していなければ、どれだけガラスが強くても記録は残りません。対策した窓が、カメラの画角に入っているかどうかも一緒に確認してみてください。

まとめ

窓からの侵入を防ぐうえで、ガラスの強さは見落とされがちなポイントです。防犯ガラスや防犯フィルムは、侵入を完全に止めるものではありませんが、「5分」という時間を稼ぐことで、侵入を諦めさせる力があります。

選ぶときはCPマークを目安にする。フィルムは施工の条件まで確認する。対策は見えにくい窓や大きな窓から優先する。そして、その窓をカメラでも見守る。

ご自宅の窓のうち、外から見えにくい窓はどれか、一度家のまわりを歩いて確かめてみてはいかがでしょうか。少しでも参考になればうれしいです。

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引用元:https://www.pref.shizuoka.jp/police/kurashi/bohan/higai/akisu/2006992.html(静岡県警察 防犯性能の高い建物部品) 引用元:https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/07/070407_.html(国土交通省 防犯性能の高い建物部品目録の公表) 引用元:https://www.jsma.or.jp/Portals/0/images/bohan/cp_products202304.pdf(日本サッシ協会 防犯建物部品)