防犯ブログ

防犯カメラの電気代にも補助が出る自治体があります|維持管理費の負担をどう軽くするか

防犯カメラの補助金というと、設置費用を対象とするものが一般的です。しかし、実際に地域の負担として続くのは、設置後のランニングコストの方です。

電気料金、保守点検費、通信費、そしていずれ訪れる更新費用——設置したときは補助があっても、その後は自治会の会計から出し続けることになります。台数が増えれば、その負担も積み上がります。

この記事では、維持管理費に対する補助制度の動向と、設置後の費用をどう見込んでおくべきかを整理します。なお、制度の内容は自治体によって異なり、年度によっても変わります。実際の申請にあたっては、必ずお住まいの自治体の公式情報をご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

維持管理費は多くの制度で対象外

まず、一般的な状況を確認しておきましょう。

防犯カメラの設置補助において、維持管理費は補助対象外とされているのが通常です。

静岡市では「監視モニターや機器の保守費用、修理費用、電気料金等の維持管理費は補助対象外です」と明記されています。広島市では「機器の保守点検や電気料金等の維持管理経費は補助対象外」とされています。堺市の事業者向け制度でも「保守点検費、修繕費、電気料金等の維持管理費用を除きます」と記載されています。

つまり、設置費用の半分から9割が補助されたとしても、その後の費用はすべて自己負担というのが基本形です。

それでも維持費を補助する自治体がある

一方で、維持管理費への補助を実施している自治体も出てきています。

福岡市では、令和8年度から電気料金等の維持管理費にかかる費用の補助が新設されました。防犯カメラ1台につき、1年あたり3,000円が補助されます。年度当初時点において維持管理している防犯カメラが対象で、補助上限台数は設けられていません

設置費補助には「1団体4台まで」という上限がありますが、維持管理費補助には台数上限がないという設計です。すでに多くのカメラを管理している団体にとっては、継続的な負担軽減になります。

岡山市でも、令和8年度から市の補助を受けて設置された防犯カメラの維持管理費についての補助が始まりました。「岡山市防犯カメラ維持管理費及び防犯灯電気代補助金」という制度で、防犯灯の電気代補助と一体の枠組みになっています。

名古屋市には、町内会・自治会等が維持管理している防犯灯・防犯カメラの電気料金の一部を助成する制度があります。設置補助とは別の制度として運用されています。

大田区でも、維持管理費用の助成は別制度があると案内されています。

こうした動きは、設置から時間が経った地域が増え、維持の負担が課題として認識されるようになった結果かもしれません。

引用元:https://www.city.fukuoka.lg.jp/shimin/seikatsuanzen/life/fukuokashigaitoubouhannkamerasettihojyokinseido.html(福岡市「令和8年度福岡市街頭防犯カメラ補助金制度について」)

電気料金はどれくらいかかる?

実際にどの程度の負担になるのかを考えてみます。

防犯カメラの消費電力は機種によって幅がありますが、一般的な屋外用カメラであれば、24時間稼働させても電気代は月あたり数百円程度に収まることが多いようです。ただし、赤外線LEDや白色LEDを夜間に点灯させる分、暗い時間帯の消費電力は上がります。

録画機(NVR)を併用する場合は、そちらの消費電力も加わります。ハードディスクが常時稼働するため、カメラ単体より消費電力は大きくなります。

福岡市の維持管理費補助が1台あたり年3,000円という設定であることを考えると、この程度が電気料金の目安として想定されているのかもしれません。

台数が多くなれば、年間の総額はそれなりの金額になります。10台を管理していれば、年間で数万円の負担ということもあり得ます。

電気の契約種別に注意

福岡市の維持管理費補助では、電力会社と「定額電灯(小型機器)」の契約種別で契約しているものが対象とされています。

これは実務上重要な情報です。防犯カメラの電源をどこから取っているかによって、契約の形態が変わります。

電柱に共架して独立した電源を引く場合は、専用の契約が必要になります。定額電灯という契約種別が使われることが一般的です。

近隣の建物から電源を借りる場合は、その建物の契約に含まれます。この場合、電気料金の負担をどうするかを事前に取り決めておく必要があります。個人宅から電源を借りているなら、その分を自治会が負担するといった取り決めです。

ソーラー式の場合は電気料金が発生しませんが、その分バッテリーの劣化という別の課題があります。バッテリーには寿命があり、数年で交換が必要になることがあります。

維持管理費の補助を検討する際は、自分たちのカメラがどのような契約になっているかを確認しておきましょう。

電気代以外の維持費も見込む

維持管理費は電気料金だけではありません。

通信費は、SIMカメラやクラウド録画を使っている場合に発生します。月額数百円から数千円程度が一般的です。

保守点検費は、業者に委託している場合の費用です。自分たちで点検する場合は不要ですが、高所の作業や専門的な確認が必要な場合は依頼することになります。

修繕費も見込んでおくべきです。ケーブルの劣化、カメラの故障、SDカードの交換——数年に一度は何らかの対応が必要になると考えておいた方がよいでしょう。

更新費用は最も大きな支出です。防犯カメラの耐用年数はおよそ5〜8年とされています。いずれ交換が必要になりますので、少額でも積み立てておくと安心です。

なお、更新に補助が使える自治体もあります。静岡市では6年以上経過したカメラの更新が対象、名古屋市では更新・修繕も補助対象、神戸市では更新設置と修繕費の制度があります。お住まいの自治体の制度を確認してみてください。

維持費を抑える工夫

制度に頼るだけでなく、費用そのものを抑える工夫も可能です。

録画方式の選択は、ランニングコストに直結します。クラウド録画は月額費用が発生しますが、SDカードやNVRへのローカル保存であれば追加費用はかかりません。破壊されたときのリスクとのバランスで判断することになります。

必要な台数に絞るという考え方もあります。「多ければ多いほどよい」というものではありません。効果的な場所に必要な台数を設置する方が、維持の負担も抑えられます。

省電力な機種を選ぶことも有効です。カタログに消費電力が記載されていますので、比較検討の材料にできます。ただし、消費電力が小さいことと性能が高いことは別ですので、必要な機能は満たしたうえで判断してください。

自分たちで点検する体制を作ることで、保守費用を抑えられます。年に一度、映像を確認して記録するだけでも、多くの不具合は発見できます。

録画方式の選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → クラウド録画とローカル録画、どちらを選ぶべきか|違いと向き不向きを整理

年間予算に組み込む

維持管理費は、設置の計画を立てる段階から見込んでおくべきものです。

設置台数×年間電気料金を概算し、自治会の年間予算に組み込みます。台数を増やす計画があれば、その分も見込んでおきます。

更新積立を設定することも検討してください。5年から8年後に発生する費用を、毎年少額ずつ積み立てておけば、その時期に慌てずに済みます。

役員交代時の引き継ぎにも、この情報を含めておきましょう。「なぜこの支出があるのか」がわからないまま予算が引き継がれると、削減の対象になってしまうこともあります。

設置後の運用体制については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 補助金で設置した防犯カメラ、その後どう管理する?|自治会の運用体制づくり

まとめ

防犯カメラの維持管理費は、多くの自治体で補助対象外です。設置費用の大半が補助されても、その後の負担は地域が担い続けることになります。

一方で、福岡市、岡山市、名古屋市、大田区のように、維持管理費や電気料金への補助を実施している自治体もあります。お住まいの自治体に同様の制度がないか、確認してみる価値はあるでしょう。

そして、制度の有無にかかわらず、維持管理費を年間予算に組み込み、更新費用の積立を検討しておくことをおすすめします。設置は出発点であり、そこから長い運用が始まります。

ワイズセキュリティでは、防犯カメラのオンラインストアを開設しています。最新スペックの防犯カメラを順次ラインナップしており、全製品1年保証付きです。設置場所や用途に合ったカメラ選びについてのご相談も承っていますので、お気軽にどうぞ。

https://wizsecurity.jp/shop