夏のあいだに庭木がずいぶん伸びた、と感じている方も多いのではないでしょうか。暑い時期は手入れも後回しになりがちで、気づけば窓の前まで枝が張り出していた、ということもよくあると思います。
秋は、庭木の手入れをするのにちょうどいい季節です。そしてこのタイミングで、ぜひ一緒に考えていただきたいのが「防犯の視点」です。庭木や生け垣は、家に潤いを与えてくれる一方で、知らないうちに侵入者の隠れ場所をつくってしまうことがあります。
今回は、植栽と死角の関係について、現場で感じていることも交えながらまとめてみました。
庭木が茂ると、何が困るの?
侵入を考える人が嫌がるのは、人に見られることです。逆にいえば、外からの視線が届かない場所は、侵入する側にとって「安心して作業できる場所」になってしまいます。
庭木や生け垣が高く茂っていると、道路からも隣の家からも、家の窓まわりが見えなくなります。窓の前で誰かがしゃがみ込んでいても、ガラスを割ろうとしていても、外からは気づけません。
警察の広報でも、生け垣や柵は背の低い、見通しのよいものにするよう呼びかけられています。植栽そのものが悪いわけではなく、「見通しをさえぎっているかどうか」がポイントなのだと思います。
「目隠し」と「死角」は紙一重?
ここが難しいところで、庭木や塀を高くしている理由の多くは、プライバシーを守るためです。外から家の中や庭をのぞかれたくない、という気持ちはもっともだと思います。
ただ、外からの視線をさえぎる「目隠し」は、そのまま侵入者の姿を隠す「死角」にもなります。家の中が見えないということは、家の外で起きていることも周りから見えない、ということです。
学校の施設整備の指針でも、周囲からの見通しをさまたげるブロック塀は避け、視線が通るフェンスを使うこと、植栽は見通しを確保できるよう計画し、定期的に剪定することが重要だとされています。学校と住宅では事情が違いますが、「見通し」と「維持管理」を大事にするという考え方は、家庭でも十分参考になるのではないでしょうか。
どこを重点的に見直せばいいの?
家のまわりを一周してみて、次のような場所がないか確認してみてください。
窓の前に植えた木や生け垣は、いちばん気をつけたいところです。特に、リビングの掃き出し窓や浴室の窓など、侵入口になりやすい窓の前が茂っていると、侵入する側にとっては好条件になります。
家の裏手や側面も見落としがちです。普段あまり通らない場所なので、木が伸び放題になっていても気づきにくいと思います。
2階に届く高さの木にも注意が必要です。枝が太くしっかりしている木は、2階のベランダや窓への足場になってしまうことがあります。物置やエアコンの室外機と組み合わさると、意外と簡単に上れてしまうこともあります。足場になるものを家のまわりに置かないことは、防犯の基本の一つです。
鍵や窓まわりも含めた家全体の基本的な対策は、今日からできる家の防犯対策|鍵・窓・センサーライトまで基本をまとめましたで整理していますので、あわせて見ていただけると全体像がつかみやすいと思います。
防犯カメラの映像も、確認しましたか?
ここは、防犯カメラを扱ってきた立場として、特にお伝えしたいところです。
カメラを設置した当初は問題なく映っていたのに、何年か経つと伸びた枝が画面の一部をふさいでいた、というのは現場で本当によくあるケースです。肝心の玄関や窓が、葉っぱの陰に隠れて映っていない。こうなると、カメラがあっても意味をなしません。
ほかにも、庭木が原因で起きる困りごとがあります。
風で揺れる枝が、動体検知の誤作動を起こすことがあります。スマートフォンに一日中通知が届くようになり、結局通知を切ってしまう。これでは、本当に人が来たときに気づけません。
夜間、カメラの近くにある葉に赤外線が反射して、映像が白っぽくなることもあります。カメラのすぐそばに枝が伸びてきている場合に起きやすい症状です。映像がぼやける、白くなるといった症状の対処法は防犯カメラの映像がぼやける、映らない時の対処法でまとめていますので、思い当たる方は一度見てみてください。
庭木の手入れをするときは、ついでにスマートフォンでカメラの映像を開いて、画面に枝がかかっていないか確認するのがおすすめです。
剪定はいつやればいいの?
剪定に適した時期は、木の種類によってかなり違います。花を楽しむ木なら、切る時期によっては翌年の花がつかなくなることもあるので、気になる場合は植木屋さんに相談するのが安心です。
防犯の視点でいえば、無理に深く切る必要はありません。窓の前の見通しを確保する、足場になる枝を落とす、カメラの画角にかかる枝を払う。この3つを意識するだけでも、効果は十分あると思います。
落葉樹は、冬に葉が落ちると見通しがよくなりますが、春から夏にかけてまた茂ってきます。季節によって見え方が変わることも頭に入れておくと、年間を通して死角をつくりにくくなるのではないでしょうか。
まとめ
庭木や生け垣は、家の雰囲気をよくしてくれる大切な存在です。ただ、手入れが追いつかずに茂りすぎると、侵入者の姿を隠す死角になってしまうことがあります。
窓の前の見通し、家の裏手、足場になる木、そして防犯カメラの画角。この秋に庭木の手入れをするときは、「外から家がどう見えるか」という視点も一緒に持っていただけるといいと思います。
まずは道路に出て、ご自宅の窓が外から見えるかどうか、一度確かめてみてはいかがでしょうか。少しでも参考になればうれしいです。
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引用元:https://www.pref.tochigi.lg.jp/keisatu/n41/hiroba/oyama/documents/mamadaekimaekoubandayori5gatugou.pdf(栃木県警察 小山警察署 間々田駅前交番だより) 引用元:https://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/seibi/1260897.htm(文部科学省 小学校施設整備指針 防犯計画) 引用元:https://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/seibi/1261380.htm(文部科学省 幼稚園施設整備指針 防犯計画) 引用元:https://www.alsok.co.jp/person/recommend/always/security/security24.html(ALSOK 空き巣から狙われない家づくり)
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